佐川急便、京都府と包括連携協定 宅配インフラで地域活性化
物流企業
2016/03/31 0:00
佐川急便(荒木秀夫社長、京都市南区)は28日、京都府と地域活性化包括連携協定を結んだ。宅配インフラを活用し、観光客の大型荷物輸送、手荷物の一時保管など手ぶら観光を促進するとともに、京野菜の高品質で低コスト流通に向けた輸送体系も研究していく。都道府県との包括連携協定は、同社としては全国で初めて。(落合涼二) これまで両者は、京都市内のライトアップ「京都・花灯路」を始めとする観光分野や京野菜フェスティバルへの協賛などの取り組みを通じて協力してきた。今後、更に幅広い分野で連携を強化することで考えが一致し、協議を重ねてきた。 具体的には①観光振興及び観光情報の発信②京都府産品の流通・販路拡大③地域防災と安心・安全④子ども・青少年育成⑤高齢者・障がい者支援⑥環境保全の進⑦地域の活性化及び府民サービスの向上――で連携する。 手ぶら観光については、観光スポット周辺に限られていたサービスを広域に広げる。「東京―京都といった都市間輸送も視野に入れ、地域活性化を図る一方、荷物を預けるコインロッカー代わりの新たなサービスを宅配会社として検討したい」(同社)という。 地域防災と安心・安全では、災害時の救援物資の集配から仕分け、保管、輸送を手掛ける方針。京都BCP(事業継続計画)への取り組みもサポートする。また、交通安全教室や地域の見守りネットワークへも参画していく。 同日、府庁(京都市上京区)で行われた調印式で、山田啓二知事は「京都で生まれ、日本を代表する物流会社に発展した佐川急便と提携できることは、大変ありがたい。宅配事業は無くてはならない大動脈で社会的貢献度も大きく、将来的には社会インフラとしての重要性は更に増すと思われる。少子高齢化社会を迎え、地域活性化に役立つことを期待する」と述べた。 荒木社長も「お互いの資源を有効活用しながら、手ぶら観光や農産物の流通、販売など地域貢献に加え、安心・安全で地球環境に優しい会社として、地元に役立つサービスを提供していきたい」と語った。 【写真=協定書を手にする荒木社長(左)と山田知事】