旭川CNGスタンド閉鎖 札幌から往復困難に トラ業者、不満続出
団体
2016/03/24 0:00
【北海道】北海道トラック協会の環境対策委員会(武田秀一委員長)が10日開いた、旭川市唯一の天然ガススタンド「永山エコ・ステーション」の閉鎖についての説明会で、2017年3月の廃止時期などについて同ステーションを利用している事業者から旭川ガスに対して不満が続出した。現在、道内のCNG(圧縮天然ガス)スタンドは札幌圏5カ所と、旭川1カ所。旭川のスタンドが無くなるとCNGトラックで札幌―旭川を行き来することは困難になり、道央圏内のみでの使用を強いられる。 旭川ガスは15年1月から廃止に向け検討に入り、3月から利用者を個別訪問し、説明。理解を得られたとして、11月にスタンドの廃止を決定した。しかし、周知不足のため閉鎖を認知している事業者が少なく、同委が旭川ガスに経緯や状況の報告を求め、初めて説明会を開催。利用者からは急な閉鎖時期についての再検討やトラックに対する補償を求める声が相次ぎ、今後も引き続き旭川ガスから状況が報告されることになった。 武田委員長は「旭川のスタンドが無くなることを想定してCNGトラックを導入した事業者はいない。ちゃんと説明していただき、閉鎖するだけではなく、CNGからLNG(液化天然ガス)へと変化している社会情勢も視野に入れた方策を検討していただきたい」と強調。 旭川ガスの高沼克広営業本部長が永山エコ・ステーションの閉鎖について①旭川地区におけるCNG車の普及率の停滞②軽油価格の下落③進まない道北・道東におけるスタンドインフラの整備状況④永山エコ・ステーションの老朽化に伴う大規模修繕費用⑤年間500万円以上に上る赤字――などを挙げた。 事業者から旭川ガスに対して、「CNGトラックを10台近く保有している会社もある。スタンドの年間赤字よりCNGトラック1台の方がはるかに高価。やめるだけではなく、トラックについて補償していただきたい」「閉鎖するにしても最低あと3年の猶予を設けるか、あるいは閉鎖自体を再検討してもらいたい」などの厳しい声が上がった。(北原進之輔) 【写真=旭川ガススタンドの閉鎖の説明を聴く利用者】