ユービーエム、抜き打ちでの覆面巡回 運転中の実情把握
物流企業
2016/03/10 0:00
【兵庫】ユービーエム(上田勝嗣社長、兵庫県西宮市)では、抜き打ちでの覆面配送巡回を行い、ドライバーの安全意識の向上を図っている。姿を見せずに後ろから運転中の姿を確認することで、添乗だけでは分からない実情を把握するのが狙い。 指導専門のドライバーが、乗用車で自社のトラックを追走。運転時の様子を一日かけ録画し、最高速度やドライブレコーダーの映像だけでは分かりにくい、ふらつきの有無、現場での積み下ろし作業の様子をチェックする。 品質安全部の坪井敏行次長は「指導員が添乗しての指導も行っているが、ドライバーも見られていることを意識してしまい、普段通りの運転ができないことが多い。覆面巡回では、ありのままの姿を見ることができる。逆に『常に見られている』という意識を持ってもらうことも目的」と話す。 特に、交通量が少なくなり、安全に対する意識が緩みがちになる夜間は念入りに確認する。全ドライバーを巡回できなくても、事業所ごとに数人行えば、「覆面巡回がある」という情報が広がり、全体の意識の引き締めにつながるという。 一つ間違えれば、モチベーション低下にもつながりかねないが、うまく運用するため、ドライバーに結果を伝える際には、褒めることを徹底。問題点を指摘するとしても一つか二つにとどめる。それ以外は、ドライバーが達成できていた事を中心に評価し、やる気を引き出す。 坪井氏は「従業員が物心ともに充実し、成長すれば会社もそれに合わせて成長する。1回のミスを叱るのではなく、99回の成功を褒め、士気を高める。それが、最終的に1回のミスを無くすことにもつながると思っている」と強調する。(蓮尾輝) 【写真=現場での積み下ろし作業の様子をチェック】