伊井運輸、ETC2.0全車導入へ デジタコ連動 安全管理
物流企業
2016/02/29 0:00
【三重】伊井運輸(伊井雅春社長、三重県川越町)は2016年度、次世代型自動料金収受システム「ETC2.0」を全車両50台に導入する。今後、メーカー及び機種選定を進める予定で、伊井社長は「デジタルタコグラフと連動するタイプを採用し、安全管理や災害対策など多角的に活用する。並行して事業継続計画(BCP)の策定も進めたい」と話す。(星野誠) 同社では、ローリー車50台を保有し、石油製品などを運んでいる。6年前にデジタコを取り入れ、事故防止と環境対策に積極活用してきた。 「型が古くなったデジタコの全車入れ替えを考えていた。高速道路通行料金割引のため、いずれは『ETC2.0』も必要になる。先行投資になるが、最新型デジタコとのセット導入を決断した」(伊井氏) 将来の通行料金割引に加え、GPS(全地球測位システム)機能にも注目する。デジタコと連動させた動態管理を、事故防止だけでなく、災害発生時の安否確認などにも有効活用したい考えだ。 「東日本大震災の記憶が風化しつつある――指摘されているが、南海トラフ地震などへの備えは急務だと思う。我が社ではBCP策定を進めており、ドライバーの安否確認に『ETC2.0』とデジタコを役立てたい」 BCPでは、従業員の家族の安否確認も最重要課題の一つに位置付ける。「災害発生時に素早く対応するため、家族の情報もある程度把握し、集約しておく必要がある。個人情報保護のため慎重に進めなければならないが、従業員と家族の安否を迅速に確認できる社内システムを確立したい」 4月以降、ETC2.0と新しいデジタコの導入を契機に、事故防止や健康管理、BCPを総合的に推進していく方針。 伊井氏は「全ては命を守るための安全最優先の取り組みで、惜しまず設備投資していきたい。全車両のデジタコを入れ替えれば、それに応じた運行管理と安全対策の見直しも必要になる。ゼロから再構築するつもりで、トータルな安全品質向上を図っていく」と力を込める。 【写真=4月以降、事故防止対策などを総合的に推進】