JR東日本物流、地産品を首都圏に トラックバス空きスペース活用
物流企業
2016/02/15 0:00
ジェイアール東日本物流(市川東太郎社長、東京都墨田区)は4月、グループの東北鉄道運輸(渡部哲雄社長、仙台市太白区)、ジェイアールバス東北(中村泰之社長、青葉区)と、物流LLP(有限責任事業組合)を設立、トラックとバスの空きスペースや首都圏の物流センターを活用し、東北などの地産品の首都圏での販路拡大を後押しする。(北原秀紀) 東日本旅客鉄道(JR東日本)が立ち上げている「のもの」プロジェクトの一環。物流の共同化による合理化・効率化でコストを削減し、地方の生産者を支援するとともに、地方創生に貢献する。 JR東日本は東日本大震災を契機に2011年、地域再発見「のもの」プロジェクトをキックオフ。若手デザイナー、太刀川瑛弼(たちかわえいすけ)氏を総合プロデューサーに用し、現在、東北を中心に950社の商品1万アイテムを首都圏の駅ナカ134店舗で販売している。 生産者は宅配便などを利用し、ジェイアール東日本の京葉流通センター(千葉県市川市)や駅ナカの店舗に配送。物流LLPの設立により、生産者は東北鉄道運輸かジェイアールバス東北のいずれかの拠点まで出荷すれば、両者の車両の空きスペースを活用して首都圏の物流拠点へ輸送、ジェイアール東日本物流の駅ナカ店舗への配送ネットに乗せられる仕組みだ。 地域活性化物流LLPは3社で構成。出資金200万円で、4月1日に設立する。首都圏から遠距離になるほど負担が大きくなる物流費を低減。この取り組みにより、青森県の4品、福島、茨城、千葉の各県でそれぞれ2品、計10品を「おやつTIMES(タイムズ)」として発売する。 市川社長は「既存の物流ルートを使えないか――というのが発想。あくまで(地産品の)支援の枠組みで、スタートして課題やヒントが出てくるのではないか。それを見て(枠組みを)広げていこうと考えている」と話している。 【写真=東北鉄道運輸かジェイアールバス東北のいずれかの拠点まで出荷すれば、駅ナカ店舗への配送ネットに乗せられる仕組み(京葉流通センター)】