郵船ロジ次期社長、フォワーディング拡大 「まず中計完遂取り組む」
物流企業
2016/02/04 0:00
6月下旬にも郵船ロジスティクスの社長に就く日本郵船の水島健二・代表取締役専務経営委員は1月29日の記者会見で、「まずは最終年度に当たる中期経営計画の完遂に取り組む」との考えを示した。水島氏の就任に伴い、代表権のある会長に退く倉本氏は「6月以降、水島君にはスピードを出してもらい、前に突き進んで欲しい」と激励した。 郵船ロジは2010年10月、郵船航空サービスとNYKロジスティクスの統合により発足。倉本氏は「私の仕事はこの統合を完遂することに終始した」と説明。 11~13年度の中計には「統合と融合」「飛躍」を掲げたものの、「文化や人種の違いもあり、統合と融合までで四苦八苦した。中国やインドネシア、ドイツなど各国で混乱が起き、つらい思いの方が多かった」とかじ取りの難しさを語った。 一方、「ミャンマー、カンボジア、バングラデシュなど新興国で現地法人をつくったり、タイやマレーシアでの投資など前向きなことにも取り組めた」とも強調。中計の最終年度半ばでの社長交代になるが、「会社を軌道に乗せるのが私の仕事。社員の努力で、一昨年あたりから業績が上向いてきた。前に進み出したことで、私の仕事はおおむね終わった」と説明した。 水島氏には、「6月以降、このスピードを上げてもらい、まんべんなく、グローバルに取り組んで欲しい」とエールを送った。 水島氏は、日本郵船の港湾物流部に所属していた経歴があることから、「郵船ロジの業務について若干の土地勘はあると思うが、最近の世の中のスピードは速いので、6月末以降、全力で走れるようにしたい」と強調。事業戦略については、短期的に中計の完遂を挙げた上で、「環境が厳しい中でも、フォワーディング事業は拡大を見込める。航空、海上、ロジスティクスの3本柱に工夫や企画を入れて、差別化を図る」と展望を示した。(土屋太朗) 【写真=手を交わす倉本社長と水島次期社長(右)】