物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

ヤマト運輸/宅急便40周年、「インフラ」に成長 海外展開・地域貢献にも注力

物流企業

2016/01/18 0:00

 ヤマト運輸(長尾裕社長東京都中央区)の宅急便は20日、サービス開始から40周年を迎える。時代のニーズをキャッチしながらサービスやサイズを拡充してきた宅急便は国民生活に欠かせない「インフラ」にまで成長。高い付加価値を持つ農産品などのアジアへの輸出を支えるツール、自治体と連携した過疎地の課題解消の仕組みとしても機能し始めている。  スタートした当時、個人が荷物を送る選択肢は鉄道か郵便しか無かった。「小口貨物の特急宅配システム」として関東地方を範囲に事業展開を始め、初日の発送個数は11個。その後、取り扱い個数を順調に伸ばし、2015年は13億2795万6053個に上っている。事業初年の5月には全国の主要都市に拡大し、3年後の1978年度には累計1千万個を突破。81年12月には月間で1千万個を超えるなど急成長を遂げた。スキーやゴルフがブームになると「スキー宅急便」(83年12月)、「ゴルフ宅急便」(84年4月)を相次いでリリースし、手ぶらで気軽にレジャーを楽しみたい消費者ニーズを取り込んだ。88年7月にはクール宅急便を全国展開した。  配達エリアは、97年11月の小笠原諸島(父島母島)での取り扱い開始をもって全国ネットワークを完成。現在、関東、中部、関西の大都市圏間で当日配送を実現するため、拠点となる大型物流施設の整備を進めている。  サービス面では、ホームページ(HP)上での「荷物お問い合わせシステム」を98年2月に、「時間帯お届け」を同年6月にスタート。情報技術(IT)を活用したユーザーの利便性向上を推進し続け、「インターネットでの宅急便集荷・再配達依頼受付」(2001年2月)、荷物が届く日時をeメールで知らせる「メール通知サービス」(02年2月)などを次々に打ち出した。  海外進出では、10年にシンガポールと中国・上海で宅急便事業に着手し、翌11年に、香港、マレーシアでも開始。13年には香港向けに「国際クール宅急便」をスタートさせた。  また、各地の自治体と協定を締結し、全国を網羅するネットワークとセールスドライバー(SD)を活用した「高齢者の見守り」など社会貢献活動にも力を入れている。(高橋朋宏) 【写真=自治体と連携して過疎地の課題を解消(岩手県で運行している貨客混載バス)】





本紙ピックアップ

相次ぐクマ被害、敷地出没や車両衝突

 クマの被害が後を絶たない。11月末時点の環境省の速報値で、2025年のクマによる人身被害が230件に達し、過去最高を記録した。敷地内への出没や車両との衝突など物流業界への影響も小さくない。修理費が高額に及ぶケースもある…

臨時国会閉会、暫定税率廃止法など成立

 第219回臨時国会が17日、閉会した。内閣提出法案は、2025年度補正予算案などを除くと、気象業務法及び水防法の一部改正案など11件が提出され、全て成立した。衆・参議員提出法案は、通常国会からの継続審議の法案を合わせて…

経産省「健康経営銘柄」、殿堂入り制度を創設

 経済産業省は、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する健康経営がより評価されるよう、健康経営銘柄に複数回にわたり選定された企業を顕彰する「健康経営銘柄の殿堂入り制度(仮称)」を2026年度にも創設する。1…

公取委調べ/価格転嫁25年度、「7割以上」0.3㌽上昇

 公正取引委員会は15日、価格転嫁円滑化の取り組みに関する2025年度の特別調査の結果を公表し、トラック運送業などは多重委託構造が存在するため、元請けから下請けの同業者への価格転嫁が円滑に進んでいないと分析している。 受…

オススメ記事

相次ぐクマ被害、敷地出没や車両衝突

 クマの被害が後を絶たない。11月末時点の環境省の速報値で、2025年のクマによる人身被害が230件に達し、過去最高を記録した。敷地内への出没や車両との衝突など物流業界への影響も小さくない。修理費が高額に及ぶケースもある…

臨時国会閉会、暫定税率廃止法など成立

 第219回臨時国会が17日、閉会した。内閣提出法案は、2025年度補正予算案などを除くと、気象業務法及び水防法の一部改正案など11件が提出され、全て成立した。衆・参議員提出法案は、通常国会からの継続審議の法案を合わせて…

経産省「健康経営銘柄」、殿堂入り制度を創設

 経済産業省は、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する健康経営がより評価されるよう、健康経営銘柄に複数回にわたり選定された企業を顕彰する「健康経営銘柄の殿堂入り制度(仮称)」を2026年度にも創設する。1…

公取委調べ/価格転嫁25年度、「7割以上」0.3㌽上昇

 公正取引委員会は15日、価格転嫁円滑化の取り組みに関する2025年度の特別調査の結果を公表し、トラック運送業などは多重委託構造が存在するため、元請けから下請けの同業者への価格転嫁が円滑に進んでいないと分析している。 受…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap