取引労働改善岩手協、着荷主の参画必要 改善策道筋を探る
行政
2015/12/24 0:00
【岩手】トラック輸送における取引環境・労働時間改善岩手協議会(元田良孝座長、岩手県立大学教授)は7日、第2回会合を開き、荷主とトラック事業者の双方がひざを交えて改善策の道筋を探った。 事務局の担当官が、11月2日に開催された第2回中央協議会の内容を報告。9月には「トラック輸送における長時間労働の実態調査」を、予定通り実施したことについて触れ、「現在集約中で、次回の集まりの時には結果を公表できる」と述べた。 事例紹介では、荷主を代表して十文字チキンカンパニー(十文字保雄社長、二戸市)が、改善に向けた取り組みを発表。顧客からの要望を踏まえた上で①トラックの台数削減②届け先の集約化③発注時間の締め切りの繰り上げ――などの実践を挙げた。 トラック事業者の労働時間の現状については、事務局から説明。盛岡市周辺発で、県内や北東北へ配送する場合と、関東圏に向かう一般的な運行モデルを示した。当日になってから積み込み時間が遅延するケースが頻繁に発生し、ドライバーの待機時間が長くなっている点を図説した。 意見交換では、運送事業者が「現状として、荷主側はトラック運行の実態を把握できていないのではないか」と指摘。一方、荷主側は「これまでは、運送会社が引き受けてくれたので、疑問を持たずにお願いしていた。ドライバーの負担まで考えていなかったのは反省点」と話した。 2016年度に取り組む予定のパイロット事業については、ある委員から「発荷主だけで議論しても、なかなか改善できない。労働条件の改善に向けて、着荷主は無視できない関係にある。参画していただく必要があるのでは」との意見が出された。(今松大) 【写真=拘束時間短縮に向けた取り組みなどを発表】