取引労働改善広島協、ウインウイン構築重要 事例紹介荷主から高い関
行政
2015/12/10 0:00
【広島】トラック輸送における取引環境・労働時間改善広島県地方協議会(三井正信座長、広島大学大学院教授)は11月27日、2回目の会合を開催した。広島運輸支局と広島労働局が、それぞれトラックドライバーの長時間労働改善に向けた取り組み事例を示し、荷主委員の関心を集めた。広運支局が紹介したスーパーのカスミ(藤田元宏社長、茨城県つくば市)は、トラック事業者からの提案でドライバーの負担を軽減。4トントラックのセンター容器作業が50%削減されるなど効果を上げている。担当者は「価値観の共有と関係者同士の意思疎通が大きな役割を果たした」と説明した。 福屋(大下洋嗣社長、広島市中区)の宮田秀雄物流部長がカスミの事例を受け、「荷受け・集荷業務でトラック事業者に大変なストレスを与えてきたことを十分に反省し、これまで以上に関心を持って、ウインウインの関係を作っていきたい」と述べた。 また、広島労働局は、東芝機械とトラック事業者の事例を報告。「ウインウインの関係を築くことが重要」と指摘した。 マツダの綱島秀之・生産管理・物流本部長代理も「いい勉強になった」とした上で、自社でもクロスドックを活用して荷待ち時間が発生しないよう改善策を実施し、部品の形を物流量が減るように開発していることを紹介。「まだまだ改善の余地はあり、労働時間にポイントを絞って、トラック事業者と更にコミュニケーションを取っていきたい」と語った。 好事例について、広島県トラック協会の山根徹吾専務が「トラック事業者は提案能力が不足しているところが多く、もっと材料を提供して欲しい」と話し、取引環境や労働時間を改善する上で有効であるとの見解を示した。 一方、会合では地元テレビ局のニュース番組が放送したトラガール特集のビデオを流した。双葉運輸(為広尚武社長、西区)などの女性ドライバーの活躍ぶりを取材したもので、広ト協のトラックまつりの模様も折り込んでいる。 衣料メーカー、サンエス(佐藤卓己社長、福山市)の福島淳二人事部次長は「今の学生は知名度の低い企業には目もくれない。一番大切なのはイメージ。トラックまつりは、子供たちが就職先を考える下地になる」と評価した。 3回目の会合は2016年3月中旬までに開く。(江藤和博) 【写真=トラックドライバーの長時間労働改善に向けた取り組み事例を示す】