北海道、飲酒運転根絶へ条例施行 教育・指導事業者に義務付け
行政
2015/12/07 0:00
11月26日の北海道議会(遠藤連議長)で可決・成立した、「北海道飲酒運転の根絶に関する条例」が1日から施行された。全国では岡山、三重県などに続いて8例目となる。 当初は、会期中に提案し、最終日の9日に可決する予定だったが、12月はクリスマスや忘年会など飲酒の機会が増えることを考慮し、前倒しして成立させた。 飲酒運転については、道路交通法の厳罰化が図られたにもかかわらず、道内では2014年7月に小樽市、今年6月には砂川市などで悲惨な死亡事故が続いている。このため、検討段階から全会派が一致してプロジェクトチームを結成し、「安全で安心して暮らすことが出来る社会の実現」を目的に、共同提案によって条例を成立させた。 全ての道民へ「飲酒運転をしない、させない、許さない」の認識を浸透させるため、条例では道民や飲食店経営者、酒類販売業者、タクシー事業者及び代行業者らに対し、飲酒運転の制止努力と飲酒運転を確認した場合には、警察官への通報を努力義務とした。 また、全ての事業者には、車両の運行に当たって飲酒運転の禁止と従業員に対する教育、指導、道の施策への協力を義務付けた。 26日、全会派の代表8人が記者会見に臨み、遠藤議長は「知事は毎年、飲酒運転の状況や根絶に関する施策の概況を議会に報告しているが、今後も議会のチェック・政策提言機能を最大限活用し、全道を挙げて取り組む。我々、議員も率先してその先頭に立つ」と述べた。 今後は、ポスターやチラシなどを作成し、イベントや年末の街頭啓発で活用するほか、道議が地元に持ち帰って飲酒運転根絶を周知徹底させ、地域における取り組みの促進を働き掛ける。(那須野ゆみ) 【写真=記者会見で「議会のチェック・政策提言機能を最大限活用する」と話す遠藤議長(左から4人目)】