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宇品港周辺 サッカー場建設に反対 「物流機能が低下」 中国国際戦略チーム

行政

2015/12/07 0:00

 物流企業や関連団体、経済団体、関係行政機関などで構成する中国地方国際物流戦略チーム(戸田常一部会長、広島大学大学院教授)の部会が2日、広島市中区で開かれ、宇品港周辺でのサッカースタジアム建設に関し、「港湾の物流機能が低下する」として反対する意見が多くの委員から上がった。また、国が進める国際コンテナ戦略港湾への集貨策に対し、「地方港の弱体化につながる」と指摘する声もあった。  戸田部会長は冒頭、「2006年のチーム設置から10年間の世界経済情勢を見ると、中国や東南アジアが伸び、日本の製造業の海外展開が続いている」と指摘。「グローバル化が加速しているが、そこを支えるのが物流であり、重要性が更に増している」と強調した。  意見で交換は、植啓彰(マツダロジスティクス)竹内誠三(中国地方倉庫協会連合会)、山田徹雄(中国冷蔵倉庫協議会)の各委員ほか多数が、宇品港周辺へのサッカースタジアム建設に対して、「港湾の物流機能が低下する」などの理由で反対。五日市港への大型クルーズ船の寄港についても、複数の委員が「周辺道路が渋滞する」として改善を訴えた。  また、中谷庄吾委員(中谷興運)が「中国地方発着のコンテナ貨物が阪神港に集約されている。6大港であるのは理解できるが、地方港の弱体化や地方経済の疲弊につながるのではないか」と懸念。これに対し、中国地方整備局の担当者は「国際コンテナ戦略港湾として基幹航路を守るための国際的な戦略。いざという時に外国に頼らなくて済むよう、阪神港と連携していこうという趣旨だ」と理解を求めた。  このほか、中村公一委員(東ソー物流)が「港湾施設の強化・整備に早く着手して欲しい」と要望。中塚章仁委員(中国地方港運協会)は「港湾関連用地の立地企業で、港湾ルールをよく分かっていないケースがある」と指摘した。  トラック業界からは、山根徹吾委員(中国トラック協会)が人手不足の現状を説明。「要因である長時間労働を解消しなくてはならない。そのことも踏まえて、物流が滞らないための施策を求めたい」と訴えた。  各委員の発言を受け、津守貴之委員(岡山大学大学院准教授)は「政策は立場によって損得が分かれるものであり、それを調整する必要がある。需要が増えない一方で人手不足は進んでおり、事業者が安定してビジネスを行える物流環境を整備しなくてはならない。単に美しい表現で終わらず、現実に対して本音で議論すべき」と総括した。(矢野孝明) 【写真=トラック業界からは物流が滞らないための施策を要望】





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