静岡鉄道、貨客混載を実証実験 山間部活性化促す
行政
2015/12/03 0:00
静岡鉄道(今田智久社長、静岡市葵区)は11月27日、グループの路線バスを使って山間地集落の特産品、都市部で調達した集落住民の生活必需品を相互に輸送する貨客混載の実証実験をスタートさせた。物資輸送を根幹に、都市部とのつながりを強化することで、過疎化が進む山間部集落の活性化を促す。 JR静岡駅と静岡市北部の玉川地区方面を結ぶ路線バスを利用。同地区集落に所在する民間団体と連携し、生活物資の個別配達を行うとともに、買い物支援や安否確認、空き家の見守りなども実施する。 国土交通省の「2015年度地域を支える持続可能な物流ネットワークの構築に関するモデル事業」に認定。県が推進する戦略物流本部会議の生活支援プロジェクトでも、モデル事業として県が支援し、市も集落での農産物加工施設の建設に助成するなど官民一体で事業を進める。10月末に都市部で行われたイベントでは、玉川地区で生産された紅茶や農産物といった特産品の販売ブースを、市場調査を兼ねて出展している。 27日は、静岡鉄道の担当者と県、市の職員が事前に注文を受け、都市部のショッピングセンターで調達した食料品の入ったコンテナボックス3ケースを運搬。1時間半かけて玉川地区まで輸送した。12月初旬までに実証を4回繰り返し、プロジェクトの問題点や課題を探る。(奥出和彦) 【写真=生活必需品を山間地集落に輸送】