ヤマトHD、沖縄に総合物流施設 国際ハブ生かす
物流企業
2015/11/23 0:00
ヤマトホールディングス(HD)は18日、那覇市の国際物流拠点産業集積地域那覇地区4号棟で、国内最南端の総合物流施設、沖縄グローバルロジスティクスセンター「サザンゲート」を稼働させた。沖縄の地理的優位性と那覇空港の沖縄国際物流ハブを生かし、パーツセンターや在庫管理、機械メンテナンス、充てん作業の施設を集約。付加価値の高いサービスで荷主企業の国際競争力強化を支援していく。(上田慎二) 推進交付金で県が整備。5階建ての全フロアを沖縄ヤマト運輸(赤嶺真一社長、沖縄県糸満市)が借り受けた。延べ床面積は2万6590平方メートル(倉庫1万5250平方メートル)で、全階にトラック用スロープを整備。24時間・365日体制で運営する。サザンゲートには、電機メーカーや化粧品製造会社など4社が入居。東芝自動機器システムサービス(滝沢靖司社長、川崎市川崎区)と東芝社会インフラシステム社(横田岳志社長、同市幸区)がパーツセンターを利用する。 また、化粧品や医薬部外品、健康食品のOEM(相手先ブランドによる生産)を手掛けるホシケミカルズ(川島勝郎社長、東京都千代田区)が充てん、包装、梱包、輸出入の一貫作業を実施。サンスター(金田善博社長、大阪府高槻市)はアジア向け商品の在庫管理を行う。 サザンゲートでは深夜航空便を利用し、アジア圏内に分散する荷主企業の総在庫量をマネジメント。製造から物流までのプロセスを1カ所で担い、海外生産と同じリードタイムで消費者に届ける。 海外で発生した修理品は、保税状態のままサザンゲートでメンテナンス。海外修理工場への投資抑制、修理技術・ノウハウの海外流出防止に寄与する。 17日、サザンゲートで催した開所式で、ヤマトHDの木川眞会長は「東アジア、東南アジアの中心に位置する沖縄県は、アジアの主要都市へ航空機で4時間圏内という地理的優位性を持つ。サザンゲートは新しい価値を提供するためのスタートライン。沖縄県が世界の架け橋『万国津梁』を実現できるよう最大限努力したい」と意欲を示した。 【写真=付加価値の高いサービスで荷主企業の国際競争力強化を支援】