GLP、岡山総社Ⅱが竣工 西日本で最大規模
産業
2015/11/12 0:00
グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(GLP、帖佐義之社長、東京都港区)が岡山県総社市に建設を進めてきた大型物流施設、GLP岡山総社Ⅱが完成し、5日に竣工式が行われた。隣接地に設置されたGLP岡山総社Ⅰと合わせると、延べ床面積は万6千平方メートルとなり、竣工済みの物流施設としては西日本で最大規模となる。(江藤和博) 岡山総社Ⅱは5階建てで、延べ床面積7万8千平方メートルのマルチテナント(複数企業入居)型物流施設。岡山自動車道・岡山総社インターチェンジ(IC)から至近距離で、両備ホールディングス(松田久社長兼CEOO=代表経営執行責任者、岡山市北区)が運営する岡山総社IC流通センター内に立地する。 16基の免震装置を設け、震度6以上の地震でも揺れを4分の1から5分の1に低減。電力を最大で30時間供給可能なバックアップ電源を備え、飲料水や医療器具セットなど防災備品も完備し、テナント企業のBCP(事業継続計画)を支援する。 1階には防災センターを設置し、24時間・3655日態勢で警備員が待機。災害発生時に迅速に対応するとともに、セキュリティーにも万全を期している。 また、壁や天井などにプレキャストコンクリート、全館の照明にはLED(発光ダイオード)を採用するなど環境に配慮。二酸化炭素(CO2)排出量と消費電力を70%削減できる。更に、屋上に太陽光発電設備を敷設。岡山総社Ⅰと合わせて2.7メガワットの発電が可能で、全量を中国電力に売電する。GLPの屋上ソーラーパネル設備としては国内最大級だ。 総社市街地に近いため、「労働力確保の観点でも良好な環境」とみており、5階の共用スペースには、岡山総社Ⅰの2倍となる96席を備えたカフェテリアを設置し、快適な就労環境を整えた。 岡山総社Ⅰは既に90%超のスペースが稼働しており、Ⅱもテナント企業との交渉が進行中。Ⅰは1フロアを2分割して貸してきたが、Ⅱでは要望に合わせて2~4階を3分割する方針だ。ⅠとⅡのランプウエーをつなげるなど一体利用や相互補完を想定した設計が施されており、両施設を利用するテナント企業は業務を効率化しやすくなっている。 竣工式で、帖佐社長は「岡山は西日本全域の物流をカバーするのにベストな立地。災害時の避難所としても使えるよう、生活に困らないための備蓄もした。県内で次の拠点を考えたいし、ニーズがあれば広島県や四国北部への進出も検討していく」と語った。 【写真=岡山総社Ⅰと合わせると、延べ床面積は15万6千平方メートル】