田中運送、ヘリポート運用開始 航空機燃料を定期輸送
物流企業
2015/11/09 0:00
【高知】田中運送(田中等社長、高知県いの町)は12月、ヘリポート事業を始める。公共性の高い分野で新規事業を立ち上げ、経営の多角化を図るとともに、航空燃料の定期輸送など本業への波及効果も見込んでいる。(矢野孝明) 本社から車で10分程度の距離にある山頂に、敷地面積1千平方メートルの用地を確保。地元の産廃業者が所有する山の一部を借り、春に造成を終えた。ヘリポート部分は550平方メートルで、大型のヘリコプターも着陸可能。航空機用ジェット燃料9800リットルを保管できる、64平方メートルの貯蔵庫も併設する。現在、工事を進めており、12月中に運用を開始する。大災害など緊急時用の支援物資を保管する倉庫も、必要に応じて建設する計画。 主要な顧客は、地図作成や測量、航空写真撮影などを行う県外の航空事業者。中国地方のテレビ局も高い関心を示しており、10月末に現地視察に訪れた。このほか、土木工事で機材を運ぶヘリコプターの利用などを想定。災害対策拠点の一つとして、県との連携も視野に入れている。 田中社長は「高知では南海地震が予測されているだけに、ヘリポートは社会性の高い事業になる。広い敷地を持つ施設は県内では珍しく、県のほぼ中央に位置する立地で、稼働前から引き合いが多い。ジェット燃料の保管と輸送を定期的に行えば、運送事業の収益も上がる」と話している。 【写真=1千平方メートルの敷地には大型ヘリコプターの着陸も可能】