名古屋港、ターミナル機能拡充 ふ頭集約 輸送効率化へ
行政
2015/11/02 0:00
名古屋港管理組合は、名古屋港の基本計画を取りまとめ、これに沿ってターミナル機能の強化・拡充に努めていく方針だ。新ターミナルを海上コンテナのストックヤードとして活用し、物流機能を強化するとともに、利用者へのサービスを充実。公共ふ頭などのヤードを集約し、完成車輸送を効率化する。(梅本誠治) 同組合は10月26日、名古屋港基本計画検討委員会(須野原豊委員長)が取りまとめた最終報告を公表。検討委は、名古屋港の物流面での役割として「自動車や航空宇宙を始めとするモノづくり産業の国際競争力強化を支援」していく必要性を示した。具体的には、20年先の長期計画を検討した上で、10年後までに実行する基本計画を立案。各施策は、名古屋港埠頭(生田正治社長、名古屋市港区)が行う。 海上コンテナ輸送では、船舶の大型化に対応するため、水深を確保するまた新たなターミナルを整備して用地を拡張し、コンテナのストックヤードとして活用。物流機能を強化するとともに、コストとサービスを充実させる。 海上コンテナ輸送と同様に、船舶の大型化が進む完成自動車輸送については、保管用地を拡大。公共ふ頭の弥富ふ頭、稲永・潮凪ふ頭にあるヤードを金城ふ頭に集約し、専用ふ頭の新宝ふ頭とともに効率化する。 バルク輸送では、11年に選定された国際バルク戦略港湾としての機能を拡充。計画には、中部地方の発電燃料として使用割合の高いLNG(液化天然ガス)の効率的な利用、穀物を輸送するポストパナマックス船に対応するための岸壁整備などを盛り込んだ。 また、道路インフラについては、港湾と後背地を結ぶ広域幹線道路と港湾道路の整備により、新たなネットワークを構築。特に、飛島―弥富ふ頭に4車線の海上横断道路を新設することで、飛島―弥富―鍋田ふ頭のコンテナ輸送の効率を格段に向上させたい考えだ。 名古屋港は、2014年の総取扱貨物量が2億762万トンで、02年から13年連続で全国首位を達成。貿易黒字額も5兆6590億円と、2位の横浜港(2兆5060億円)以下を大きく引き離している。また、領域は名古屋市、東海市、知多市、弥富市、飛島村の4市1村にわたり、臨港地区は4200万平方メートルと日本最大の規模を誇る。 【写真=海上コンテナ輸送では、船舶の大型化に対応するため、水深を確保する(飛島ふ頭)】