国分・丸紅が業務提携 冷凍施設を相互利用 システム共有・配送共同化
荷主
2015/11/02 0:00
食品・酒類卸大手の国分(国分勘兵衛会長兼社長、東京都中央区)と丸紅は、食品卸事業で業務提携する。両社の中核子会社に相互出資することで提携関係を強化し、食品卸事業の新たなビジネスモデルを構築。物流業務については、冷凍・冷蔵倉庫を中心とした施設の共同利用や統廃合などを行い、市場での競争力強化や業務効率化を推進する。(高木明) 10月28日の共同記者会見には国分の国分会長兼社、丸紅の国分文也社長らが出席し、業務提携の経過合意内容と今後の取り組みなどを説明した。 国分は、丸紅子会社で冷凍食品卸大手のナックスナカムラ(前田一郎社長、大阪市淀川区)に51%出資し、傘下に収める。更に、菓子卸子会社、山星屋(小西規雄社長、同市中央区)にも20%出資する。一方、丸紅も国分の中核子会社、国分首都圏(内藤悟社長、東京都江東区)の株式の20%を取得し、連携体制を強化する。 両社は物流業務の効率化・合理化に取り組む。国分は全国に200カ所の物流センターを配置しているが、現在、3温度帯対応の大型物流センターへの切り替えを全国規模で推進。一方、ナックスナカムラでは、低温物流センターを全国37カ所に持っている。今後は物流センターの相互利用、配送業務の共同化、情報シテテムの共有化、更には重複する物流施設の統廃合なども進めていく。 業務提携の話し合いは2014年末から本格的に始めた。15年内には正式な契約を交わし、16年2月末までには相互出資を完了させる。近く、両社のスタッフで構成する提携推進委員会を設置し、具体的な取り組み事項を抽出し、事業のスタートに向け体制を整える。 食品卸業界では、競争の激化などから合従連衡による業界再編の動きが活発化している。会見で、国分の国分氏は「両社の保有する経営資源の活用による協業を通じ、食品卸事業の新たなビジネスモデルを構築したい」と強調。また、丸紅の国分氏も「両社の協業では、当社の持つグローバルな商品調達力を最大限生かしていく」と語った。 【写真=会見後、握手する国分の国分会長兼社長(左から2人目)と丸紅の国分社長(その右)ら】