東京海洋大大学院/三次元重心検知システム、一般公開試乗会を開く
産業
2015/10/29 0:00
東京海洋大学大学院の渡辺豊研究室は23日、重心検知協会や中央バス商事(泉山利彦社長、札幌市西区)などと、三次元重心検知システム一般公開試乗会を行った。バス事業者に加え、トラック事業者も参加した。 渡辺教授は「バスやトラックなど人や物を載せて走行している車は重心が分かりにくいが、この装置を取り付けることでドライバーが常に重心を把握できる。コンテナなど重心の分からないものや、精密機器など重たいものを運んでいる運送会社にはとても有効。この装置を使って横転事故を防ぐことができればうれしい」とあいさつ。 試乗会では、三次元重心検知システムの装置を取り付けた貸し切りバスに乗車し、札幌市内の市街地や山などを走行。手のひらサイズの装置をバスに取り付けて、モニターやタブレット(多機能携帯端末)と接続すると、自動的に重心を検知する。信号は①安全②注意③危険④事故――の各段階で表記され、同時に「気を付けて、ちょっとハンドル操作荒いです」「優しい運転ありがとうございます」といった音声が流れる。 試乗会後、北海道バス協会(平尾一弥会長)で説明会が行われ、参加者からは「風による影響はどの程度か」「最初から重心が偏っている場合も正確に検知できるか」などの質問が上がった。 同装置は既存のどの車種・年式にも取り付け可能で後付けのため車検は不要。横転の危険度を見える化することで、ドライバーの安全意識を高められる。(大島杏奈) 【写真=タブレットなどでリアルタイムの重心を確認】