昭和冷凍、トラックの背面に子供の絵 優しさで事故防止
物流企業
2015/10/29 0:00
【静岡】昭和冷凍(渡辺正仁社長、静岡市清水区)は21日、子供が描いた絵をトラックのボディー背面にプリントした車両1台を納入した。宮田運輸(大阪府高槻市)の宮田博文社長が2014年8月から開始した「こどもミュージアムプロジェクト」に賛同し、取り入れたもの。今年9月以来、4台目の導入となる渡辺社長は「大変良い取り組みで、今後も推進していく」と、年内納車予定の新車7台へのプリント準備も進めている。(奥出和彦) 3トン冷凍車の背面に、同社従業員の子供2人が描いた2枚の絵をプリント。カラーで発色が良く、遠くからでも目立つ奇麗な仕上がりだ。満開の桜の木を背景に、両親の顔が優しく描かれている。「やさしいきもちが、みらいをつくる」と記したプロジェクトのロゴマークも施した。 当日は、宮田氏や県内でプロジェクトの仲介役を担うバハティ(静岡市駿河区)の植村千恵社長も駆け付けた。 宮田氏は「13年に起きた事故をきっかけに自社だけでなく、世間のためになるトラックの生かし方が無い――と検討し、思い付いた。スタート後、絵について問われたり、写真撮影されたりと、世間とのつながりを意識でき、何よりもドライバーが優しい気持ちで運転するようになる。実際に商品事故を起こさなくなった」と説明。 渡辺氏も「紹介してもらい、すぐに導入を決めた。事故対策をいろいろ考えていたが、目先が変わっていて、優しさや気持ちが伝わるところに共感した」と話した。大潮誠常務も「冷凍車は後部の扉から出し入れするので、絵を確認する機会が多く、気持ちをリセットできる。とても良い効果がある」と言う。 宮田氏は「全国各地に拡大し、1件でも悲しい事故の減少につなげたい」と力説。双方でプロジェクトの啓もうに努めることを約束した。 【写真=満開の桜の木を背景に、両親の顔が優しく描かれている】