全ト協事業者大会、明るい未来へ向かって 一丸となり難局突破
団体
2015/10/05 0:00
全日本トラック協会(星野良三会長)の第20回全国トラック運送事業者大会が1日、金沢市で開かれ、全国から1400人が出席した。荷主との協働による長時間労働の削減、高速道路料金における大口・多頻度割引率最大50%の恒久化、大規模災害発生時の緊急輸送体制の確立など諸課題の解決に向け、一丸となって難局を突破していくことを誓い合った。(渡辺耕太郎) 星野会長が「9月30日、13回目のトラックの森記念植樹式が石川県の森林公園で行われた。植樹を通して、地球温暖化防止、環境保全の意識向上にトラック事業者として貢献していきたい」とあいさつ。 また、「トラック業界は人手不足に加え、労働時間規制の強化などにより、長距離輸送からの撤退、運送コストの高止まりが続いている」と指摘。「荷主の理解と協力を得ながら、長時間労働問題の解決に取り組んでいきたい。明るい未来へ向かって、頑張ろう」と強調した。 開催地を代表して、北陸信越ブロックトラック協会の小林和男会長が「1400人余りの皆さまにお越しいただき、心より感謝を申し上げる。北陸新幹線が3月に開通し、絶好の時期に金沢で全国大会を開催できたことをうれしく思う。依然として厳しい状況にあるトラック業界だが、結束を固め、乗り切っていこう」と呼び掛けた 小林氏を議長とする議長団を選出。第1分科会と第2分科会に分かれ、それぞれ「トラック業界の交通安全対策の推進」「トラック業界の人材確保及び育成」をテーマに、パネリストによるプレゼンテーションで議論を深めた。 記念講演では、和倉温泉の老舗旅館、加賀屋の小田貞彦相談役が「おもてなしの心で世界をねらう」と題して講話した。 全体会議の再開後、石川県トラック協会青年部会の坂池克彦部会長が、原価管理に基づく適正運賃の収受、法令順守の徹底、交通・労働災害事故の防止及び環境・省エネ対策の推進――など8項目の大会決議を読み上げ、全会一致で採択。長時間労働の縮減を目指し、手待ち時間の削減や付帯業務の有償化に向け、運送業界の総力を挙げて取り組む決意を新たにした。 石川県の谷本正憲知事が祝辞を述べるとともに、国土交通省の藤井直樹自動車局長が太田昭宏国交相のメッセージを代読。続いて、次回開催地を代表し、中国トラック協会の小丸成洋会長が「1年かけて、しっかりと準備していく。米子でお会いしましょう」と歓迎メッセージを述べた。第21回大会は2016年10月6日、鳥取県米子市で開催される。 石川県トラック協会の田内満喜夫副会長が音頭を取り、「ガンバロー」コールを唱和。富山県トラック協会の綿貫勝介会長は「この大会で一致団結できたことを心から感謝したい」と全体会議を締めくくった。 【写真=「荷主の理解と協力を得ながら長時間労働問題の解決に取り組んでいきたい」と星野会長】