京丹後市、乗合タクシーで貨物輸送 地域再生計画の一環
行政
2015/10/05 0:00
京都府京丹後市は1日から、地域再生計画の一環として、電気自動車(EV)を活用した少量の貨物運送、買い物代行などのサービスを提供する新たな乗合デマンド型のタクシー輸送事業を開始した。(小菓史和) 9月30日に行われた出発式で、中山泰市長が「2012年度に久美浜町、翌年には網野町で民間タクシー事業が廃止され、住民から不安や不便を訴える声が上がっていた。多くの人に利用してもらい、愛され、育てていただけるEV乗合タクシーとなることを心から祈念する」とあいさつ。 近畿運輸局自動車交通部の金指和彦部長も「近運局では構想段階から関与している。現行のタクシーによる救援事業、路線バスの少量貨物輸送の双方がEV乗合タクシーで可能になった。京丹後市は、このほかにも200円バスなど公共交通の先進的な取り組みを進めている。今後も活性化に尽力して欲しい」とエールを送った。 同市は14年、国の地域活性化モデルケースとして「グリーン・ウエルネス新公共交通体系の構築とそれを核とした環境調和・健康未来創造スマートコミュニティの実現」を近運局に提案。採択され翌年には改正地域再生法に基づく地域再生計画の第1号として認定を受けた。更に、規制緩和も視野に、地域の活性化につながり、人と環境に優しく利便性の高い新たな輸送サービスの実現に向け、近運局と議論を重ねてきた。4月に国から規制緩和の通達が出されたことを受け、いち早く準備に着手。EV乗合タクシーの運行開始にこぎ着けた。 中山氏は「全国の先陣を切る形で、人だけでなくモノとサービスを運ぶ新たな輸送が明日から開始される。新たな公共交通体系の構築に向けた大きな一歩を、地域の皆さんと祝いたい」と述べた。 この後、タクシーを運行する丹後海陸交通(小倉信彦社長、与謝野町)のドライバーにジャンボキーを贈呈、拍手られ出発した。 【写真=拍手に送られ出発する丹後海陸交通のEVタクシー】