JTP協、研究・開発に力 車両の電子制御化対応
団体
2015/10/01 0:00
日本トラックリファインパーツ協会(JTP協、宮本真希理事長)は2015年度、より信頼性の高い商品提供に向け、研究・開発に力を入れる。車両の電子制御化が進み、性能も格段にアップしていることから、将来の対応策を検討する専門プロジェクトを設置。良質な部品の追求だけでなく、環境保全にも寄与する製品づくりを心掛ける。 車両を取り巻く状況は日進月歩が顕著で、従来のメカニックに関する知識や技術だけでは、解決できない問題も増えてきた。これに対処するため、新たに「トラック未来研究所」を組織内に設けた。現時点では、メンバー同士の情報交換をベースにスキルの向上に努めているが、今後は大学関係者やIT(情報技術)技術者らにも参加してもらい、更に強固な体制にしたい考え。 日本自動車工業会(池史彦会長)や日本自動車車体工業会(渡辺義章会長)と連携し、取り壊しが容易な車両づくりに関わってきた。その際はリサイクルの推進へ、常に素材の分別にも配慮している。 6月に行った意見交換会にも、両団体のメンバーが出席。事前にタンクローリー車の分解作業を見学し、運搬していた貨物の危険性を互いに認識、共有することができた。 また、独自開発した検査機器の改良にも取り組む。電子制御ディーゼルエンジンの単体始動テストができる試験機「Σe-Star(シグマイースター)」で、使用の可否をチェックするだけでなく、実際の車両で使っていた状態に限りなく近づけるため、詳細なデータの収集、分析ができる機能を高める。 谷口正幸専務は「中古車の部品をリユースするので、昔の知識で大丈夫のように思われるかも知れないが、近年は本当に車両の進化が目覚ましい。今から始めておかないと、10年後はどうなるか分からない。常に勉強し、最高の商品をつくり上げたい」と話している。 JTP協は、トラックのみに取り扱いを特化し、車両解体後の中古部品を販売する全国組織。互いのパーツ情報を把握、融通し合う「らくだネット」を展開しユーザーに幅広く情報提供している。(河野元) 【写真=6月には意見交換会の前に、車両解体作業を見学】