ネストロジ、難病抱えトラ模型製作 伊藤さんと雇用契約
物流企業
2015/10/01 0:00
【広島】ネストロジスティクス(迫慎二社長、広島市東区)は9月18日に広島県庁で行われた秋の交通安全運動開始式で、障がいを抱えながらトラックの模型を製作している伊藤輝政さん(40)の作品を展示し、同運動への協力を呼び掛けた。(矢野孝明) 伊藤さんは生まれつき心臓に難病を持ち、ほとんどの時間を自室で過ごしてきた。トラックの製作を始めたのは幼少期で、工作用紙やアルミホイル、ストローなどを原料に、実物の40分の1の大きさで精密に再現。これまでに700個以上を完成させている。 同社のドライバーが伊藤さん宅に家具を配送した際、その作品に魅了されたのがきっかけとなり、迫社長も共感。5月28日に開催された広島県トラック協会(小丸成洋会長)の総会でも、会場に展示コーナーを設けて紹介した。 更に同社は、9月1日付で伊藤さんと正式に雇用契約を締結。模型の製作と公開を通じて、交通安全を呼び掛ける活動を共に推進する方針で、今回も広ト協を介して広島県警察本部に働き掛け、出展の運びとなった。 開始式には、県職員や警察関係者のほか、地元の幼稚園児や保護者など一般市民も参加。式の合間に展示コーナーに足を運び、完成度の高さと温かみのある作風に見入っていた。 【写真=実際のトラックを精密に再現した模型を眺める見学者】