多治見通運、エコレールマーク協賛企業に 人手不足しっかり対応
物流企業
2015/09/17 0:00
【岐阜】多治見通運(武藤利樹社長、岐阜県多治見市)は、鉄道貨物協会(米本亮一理事長)が運営するエコレールマークで協賛企業に認定された。8月27日のエコレールマーク運営・審査委員会(苦瀬博仁委員長)で、ガス器具メーカーのパロマ(小林弘明社長、名古屋市瑞穂区)と同社商品を認定。これに伴い、商品の輸送を手掛ける多治見通運が協賛企業として認められた。(星野誠) 同制度は、地球環境に優しい鉄道貨物輸送を一定以上利用している商品や企業を認定するもの。 武藤社長が「荷主企業と一体で、鉄道輸送を推進してきたことが高く評価された」と喜んでいる。 多治見通運の西尾秀起通運部長は「鉄道輸送はリードタイムが伸びるイメージを持たれがちだが、名古屋からの発送分はトラックと変わらない。また、ガス器具は12月と3月に繁忙期を迎え、鉄道は通年同一価格のため安定している。鉄道の優位性を提案営業で顧客にアピールした」と振り返る。 10年前に年間500トンだった数量は、3年前に2500トンとなり、1万トン以上に増加した現在では、愛知、岐阜、三重など中部各県のパロマ生産拠点から、北海道や鹿児島県など、全国に鉄道コンテナ輸送を行っている。 西尾氏は「10トン分まとまらないと、トラックが走れない工場もある。しかし、鉄道コンテナは、ニーズに応じた細やかな多頻度輸送が可能。輸送コストを削減し、環境にも優しい。九州地区でドライバー不足が深刻化した際も、鉄道輸送でしっかり対応できた」と話す。今後は、エコレールマークを車両や名刺に入れるとともに、他顧客への提案営業も積極的に実施。武藤氏は「商品カートンを傷つけない積み方を工夫するなど、現場レベルの努力も重ねてきた。顧客に安定的な輸送を提供するのが我々の役目。これまで通運部門は守りの営業が多かったが、エコレールマーク協賛認定を機に、提案営業をヨコ展開していく」と意気込む。 【写真=全国に鉄道コンテナ輸送を行っている】