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東北/記録的豪雨、高速7路線通行止め 国道48号は崩落

物流企業

2015/09/17 0:00

 10日に関東地方で甚大な被害をもたらした記録的な豪雨は、同日夜から11日にかけて東北地方でも猛威を振るった。宮城県は、11日午前3時20分に大雨特別警報を発表。影響はどの程度だったのか――。各方面の様子を追いかけた。(富田久男、今松大、黒田秀男)  物流網では、東日本高速道路東北支社(小島治雄支社長、仙台市青葉区)によると、高速道路7路線が通行止めとなった。山形自動車道は、10日午前5時30分から上り線が笹谷インターチェンジ(IC)―山形蔵王IC、下り線は宮城川崎IC―山形蔵王ICで通行止め。解除された11日午前10時までの間、村田IC―山形蔵王ICが不通となった。  東北自動車道は10日午後9時に国見IC―白石ICの上下線で通行止めとなり、11日午前10時までの間に、最長で福島飯坂IC―築館ICが閉鎖された。仙台南部道路は10日午後11時から翌午前10時まで、山田IC―仙台南ICの通行が不能になった。このほか、磐越自動車道や常磐自動車道、仙台北部道路、同南部道路なども一部区間が通行止めになった。  また、一般国道にも被害が及んだ。堤防決壊による河川氾濫(はんらん)が発生した宮城県大崎市では、国道4号古川バイパスの米袋や三本木蟻ヶ袋地内が通行止め。同栗原市築館下宮野も通行不能になった。国道48号は、仙台市青葉区の関山トンネル付近の道路が崩落し、片側通行の措置が取られた。  物流施設への大きな被害は見られなかったものの、高速道路や幹線国道などの通行止めなどにより、一部では物流にも影響が生じた。仙台市内のコンビニエンスストアやスーパーマーケットでは、12日も食品を中心に配送が遅れ、棚に商品を陳列できない状況が見られた。  渋井川の決壊で大きな被害を受けた大崎市西南部。すぐ近くには宮城県トラック協会大崎支部(千葉孝男支部長)の大崎輸送センターがある。  12日早朝、大崎市の担当者から千葉支部長(63)の携帯電話に「センターの駐車場を救援活動のために貸して欲しい」と緊急連絡が入った。消防や警察、自衛隊の救助活動サブ拠点として利用したい――とのことだった。早速、東西の入り口を開錠して駐車場を開放。消防や自衛隊の救助ボートの発着地となった。同地区の住民には大きな被害を与えたが、物流事業者への影響は少なかった。14日朝の時点で、同支部では「大雨の直接的な被害を受けた事業所は把握していない。会員からの連絡も無い」という。千葉氏は「道路が冠水して通行できずにう回して配送した車両も多かった。中には、操業休止に追い込まれた工場もあり、トラックの定期便が運休になった」と話す。  東北道、国道4号に加え、宮城から山形に向かう道路も各地で通行止めになり、物流はマヒ状態。長距離便に大きな影響を与えた。日興運輸(青森県弘前市)の木村宣博社長(60)は、「高速が通行止めになる前後で運行時間に明暗が分かれた。一般道も大渋滞で半日以上、足止めを食った車両もあった」と話す。12日午後1時に東北道が全線開通したが、翌日まで影響が出たルートもあったという。  特積事業者は運行便に遅れが出たものの、大きな混乱は無かったようだ。  食品配送のYBSサービス(佐藤侑功社長山形市)では、宮城県と山形県を結ぶ山形道や国道13号、48号などが通行止めとなり、配送コースのう回を余儀なくされた。幸い、宮城県白石市からの国道113号が通れたため、6、7時間の遅れで商品を配送した。  佐藤社長(72)は「宮城県側との山越えルートが次々と通行止めになった。国道113号が通れて助かった。遅れたが、荷主の理解は得られた」と語るまた「東北道経由(栃木県内などの通行止め)の関東便の遅れが目立ったものの、新潟経由は順調に到着した」という。  一方、鉄道貨物にも影響が及んだ。日本貨物鉄道(JR貨物)の仙台貨物ターミナル駅では、東北本線の運休などにより、2日間でコンテナ列車約50本が運休したほか、駅構内の一部が浸水した。  最深部で、水位はひざの高さまで上がった。これにより、19カ所のポイントが故障し、コンテナも一部(約200個)が水に漬かった。ポイント装置の復旧では、全国の各支社から機材や部品を調達するとともに、技術者の派遣などを受け、12日午後6時40分には完全に復旧した。2日間での復旧は異例の早さという。  また、濡れたコンテナの荷主に対しては、コンテナごとに貨物対応を行っている。  駅の町田昌俊駅長(55)は「構内も被害を受けたが、ポイントの復旧を完了させ、顧客対応も進めている。駅開所以来の大雨だったが、これを教訓に危機管理対応を万全にしたい」と話している。今週中(14~20日)には混乱は収束される見通し。  宮城県トラック協会(須藤弘三会長)によると、14日時点で、災害時協定に基づく、宮城県や自治体からの緊急物資輸送の要請は無い。 【写真=構内の一部が浸水した仙台貨物ターミナル駅(11日)】





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