ぎおん菊水運送、送迎車の雄姿再現 クーラー付き人気
物流企業
2015/08/27 0:00
【京都】ぎおん菊水運送(国友貴之社長、京都市伏見区)では、古き雄姿を現在によみがえらせるプロジェクトに取り組んでいる。第1弾として2012年に、1960年代後半に婚礼引っ越しで活躍したトラックを復刻。第2弾では、71年から百貨店の外商スタッフを送迎する商用車を再現した。 日産自動車が67年から71年まで生産していた三代目グロリアのライトバンタイプ。貴之社長は「父親が婚礼引っ越し会社として独立。百貨店のギフト配送も開始し、外商スタッフの送迎をチャーターで手掛けていた。営業スタッフが商品も一緒に持って回っており、他社と違いを出すため、クーラーを取り付けたところ人気を博した」と振り返る。 父の政治会長は職人タイプで、営業は苦手にしていた。ただ、車好きだったこともあり、クーラー導入を思い付いた。現在と違いダッシュボードの下につり下げるタイプ。後付けで、今の金額に換算すると40万~50万円は掛かったという。 当時、クーラーの付いた車はタクシーぐらいで、「暑い日にはよく取り合いになり、同業他社からも見学に訪れるほど有名になった。運賃アップにはつながらなかったものの、車両の回転率は良くなった」(貴之氏)と、71年に2台、翌年には7台まで増車した。 貴之氏は「20年以上前から探していた。クーラー付きはあきらめていたものの、当時の姿のまま購入できた。クーラー付き商用車は先行投資の意味合いが強かった。取り巻く環境は厳しいが、決して後ろ向きにならず、前を向いた経営で取引先や従業員を喜ばせていきたい。婚礼引っ越しトラックも含め、『温故知新』の精神で、これからも経営していく」と強調する。(落合涼二) 【写真=クーラーは後付けで、今の金額に換算すると40万~50万円掛かった】