名備運輸社長、校長ら17人招き研修 人を大切にする経営方針
物流企業
2015/08/27 0:00
【愛知】名備運輸(丸川靖彦社長、愛知県小牧市)は11日、小中学校の校長や教頭らで組織する響の会(角田明会長)を招き、丸川社長が「素晴らしき経営の実現を目指して」をテーマに講演した。 響の会は、会社経営から学ぶ――を活動の柱の一つに掲げ、企業訪問して経営者の講演を聴く研修会を開催。名備運輸のホームページで企業理念に感銘を受けた響の会広島支部の竹川智子支部長が企画。職場体験学習を通じて交流のある小牧中学校長の紹介で、丸川氏が講演を快諾した。 広島、高知、愛知など各県から訪れた校長ら17人を前に、会社概要や事業継承の経緯などを説明。丸川氏は「社長に就任した当初は利益追求型経営で、数字のことばかりを考えていた」と明かした。 その上で、「2007年に中型免許制度がスタートし、新たに普通免許を取得した人がトラックに乗れなくなった。ただでさえ、車に興味を持つ若者が減っている。このままでは運送会社で働く若い人がいなくなると思い、まずは、自分の会社から変えようと考えた」と振り返った。 トラックのデザインを一新し、洗車機で奇麗に保つようになって事故が激減したことや、職場が楽しくなる環境づくり、障がい者雇用といった社会貢献活動も紹介。 続けて、「現在は、人を大切にする経営方針に転換し、企業理念では『人に優しい物流』を掲げている。社員が自分の子供から『お父さん格好いい』と思われなくてはいけない」と強調」リーダーがやるべきこととして、①人間力向上②ビジョンを語る③場づくり――を挙げた。 角田会長は「丸川氏の話に酔いしれた。教育界は他の業界に対し、閉鎖的な傾向がある。異業種の良い部分を受け入れる教員でありたい」と述べた。竹川氏も「人を大切にする経営方針に感動した。学校経営にも当てはまるもので、我々の教育現場で生かしたい」と話した。(星野誠) 【写真=校長や教頭らを前に講演を行う丸川社長】