富士ロジテック、UWB測位システム使用 ピッキング経路最適化
物流企業
2015/08/24 0:00
富士ロジテック(鈴木庸介社長、静岡市駿河区)は10日情報通信研究機構(NICT、坂内正夫理事長)と共同で、UWB(超広帯域無線)測位システムを使った倉庫内作業の実証実験を通じて、ピッキングカートの動線可視化に成功した、と発表した。 動線データとカート作業のデータを基に、ピッキング経路を最適化。商品の平均ピッキング歩行時間、商品1個当たりのピッキング時間短縮につなげた。物流倉庫内での作業効率の大幅な改善に役立つ、と期待している。 3~7月にかけ、愛知県小牧市の物流倉庫内で実施。NICTが開発したUWB測位システムを倉庫構造に合わせて配置し、16台のピッキングカートの動線取得に必要な測位精度を把握できた。取得した動線と、カートシステムで計測される歩行ピッキング時間を解析することにより、商品の配置見直しやピッキング担当エリアを区切るといった効率化対策を施した。 対策前後で歩行距離が短くなり、歩行時間は平均で50%、商品1個当たりのピッキング時間も8.5秒から6.5秒に縮まった。通路の混雑状況を分析しながら、商品棚の最適配置も検討可能で、今後、複数台のフォークリフトが稼働する倉庫での利用も見込んでいる。(奥出和彦) 【写真=16台のピッキングカートの動線取得に必要な測位精度を把握】