東京地方協、現状打開へ意見交換 人材不足など訴え
行政
2015/07/20 0:00
【東京】国土交通、厚生労働の両省やトラック事業者などで構成する「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」(野尻俊明座長、流通経済大学学長)の発足を受け、東京都地方協議会が13日、初会合を開いた。人材不足などの現状や、それに対する要望、解決策について事業者が意見交換するとともに、協議会の今後の方針についても確認した。(土屋太朗) 又野己知関東運輸局長が「他産業に比べ、トラック輸送業界は人手不足が深刻だ。業界の維持、発展には荷主との活動も不可欠で、協力関係を構築していきたい」とあいさつ。東京運輸支局が地方協議会について、東京労働局は労働基準法などの一部改正案についてそれぞれ説明した。 トラック事業者や荷主が出席し、意見交換。天野運送(品川区)の天野智義社長が「業界を育てるならば、労働時間短縮に向け、荷主も含めた取り組みが必要だ」と強調。浅井(大田区)の浅井隆社長は「時間外労働は月60時間を超えるのが現状。高速道路の利用で改善できるが、料金が高い」と訴えた。西多摩運送(昭島市)の千原武美社長は「運送事業は外部環境に左右される。発荷主、着荷主の双方との環境整備が重要」と述べた。 また、アスクルの池田和幸・ECR本部統括部長が「トラック待機時間解消に向けて、サプライヤーにウェブ上で納期回答できる仕組みをつくっており、徐々に改善している」と語った。 今後協議会では、長時間労働の実態を明らかにするため、9月14〜20日にかけてドライバーを調査。東京は30社各5人ずつ、計150人を調べる。第2回会合は本協議会後、秋ごろを予定している。 【写真=長時間労働の実態を明らかにするため、9月にドライバー150人を調査】