京ト協、危険ドラッグ運送自粛 府・警察と協定結ぶ
団体
2015/07/16 0:00
【京都】京都府トラック協会(金井清治会長)は6日、府及び府警察本部と、危険ドラッグ等の運送の自粛に関する協定を結んだ。2014年12月に制定された府薬物乱用の防止に関する条例の具体的な施策を進めるのが狙い。今後、会員事業所に対し、運送する荷物が危険ドラッグであることを知った時には運送契約を締結しないよう周知するとともに、薬物乱用を防ぐための啓発事業に協力していく。(落合涼二) 京ト協に加え、府宅地建物取引業協会(大工園隆会長)、全日本不動産協会京都府本部(坊雅勝本部長)とも危険ドラッグの製造等の防止に関し協定した。 府警の遠藤雅人刑事部長は「府との合同取り締まりで店舗による危険ドラッグ販売は無くなったものの、ネット通販に移行し、販路が複雑化してきた。本日の協定により、それぞれの団体が協力しながら、撲滅に努めたい」と呼び掛けた。 府健康福祉部の松村淳子部長も「条例では、土地、建物、運送事業者に対しての責務を明確にしている。しかし、どのようなルートで危険ドラッグが府に入ってくるかは不明。一致団結して防いでいきたい」と述べた。 金井会長は「配送にトラックが使われる可能性は極めて高い。現実問題として、配送依頼を受けた荷物の中身を確認するのは難しいが、違法薬物の疑いがある時には情報提供していく」と強調した。 府によると「条例で荷物の中が見られるようにするのは難しい。ただ、定期的に特定の住所へ配達する荷物がある場合など、少しでも疑問を感じたら教えて欲しい」としている。 同条例は14年12月に制定、1月から施行された。第8条には、運送事業者の責務として、受けた荷物の中身が危険ドラッグなど違法薬物と分かった時、または、疑わしいと思われる時には、府に情報提供するよう努めることが盛り込まれている。 これを受け、京ト協では1月、条例啓発のためのパレードに参加。今井茂雄副会長と浅井孝司専務が市内を歩き、市民に危険ドラッグの恐ろしさや乱用防止を訴えた。また、ホームページを通じて、会員向けに情報発信している。 【写真=協定書を手にする金井会長(中央)】