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鹿児島/記録的大雨、道路寸断 フェリーで迂回

物流企業

2015/07/13 0:00

 鹿児島県では、梅雨前線の影響で記録的な大雨に見舞われ、地元の物流事業に影響が広がっている。6月の降水量は、平年の2.9倍に当たる1300ミリに達し、1883年の統計開始以来、観測史上最多となった。都市部や山間部を問わず各地で土砂崩れが発生。トラック事業者は迂回(うかい)などの対応に追われた。(上田慎二)  県内全域で食品配送などを手掛ける園田陸運(園田剛介社長、垂水市)では、県北や宮崎県向けの一部のルートで1時間程度の迂回ロスが生じ、早めの出発などで対応している。「物量の多い鹿児島市-垂水市の輸送はフェリーに集約し、道路寸断の影響を回避している」(園田社長)  県内全域で雑貨配送などを展開するエスライン九州(鹿児島市)の岡元幹雄社長は「雨が降り続き、夏物の食品、雑貨、衣料の荷動きに響いた。毎年6月は、農業が田植えで繁忙期のため、小売店から客足が遠のく。大雨が追い打ちを掛けた」と話す。  垂水市牛根地区では、大隅半島を南北に走る国道220号が6 月24日、土石流で寸断された。30日には昼間に片側交互通行を再開したが、7月5日、同じ現場で再び土石流が発生。「安全を確保できない」(大隅河川国道事務所)ため、再び全面通行止めとなり、7月8日時点で再開のメドは立っていない。  垂水市の位置する大隅半島北部は傾斜地や山林の多い山間地帯で、トラックが利用できるう回ルートは限られる。山道はカーブ、アップダウンが激しく、時間とコストを浪費する。大雨による土石流で最短ルートが寸断された薩摩、大隅両半島を結ぶ物流は、海上輸送が頼みの綱となっている。  九州南部では、日照時間も6月は平年の5割に満たない。夏、秋に収穫を迎える農作物の出荷量減少が懸念されている。全国有数の産地である南九州には、青果物輸送を手掛ける企業が多い。青果物の出荷が激減すれば、品目を問わず荷物の奪い合いとなり、運賃低迷に拍車が掛かる恐れがある。 【写真=大雨による土石流で最短ルートが寸断された薩摩、大隅両半島を結ぶ物流は、海上輸送が頼みの綱】





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