和束運輸、マルコーエキスを買収
物流企業
2015/07/02 0:00
和束運輸(杉本哲也社長、京都府木津川市)は6月22日付で、マルコーエキスプレス(進藤敬之社長、京田辺市)と滋賀丸工運送(同社長、滋賀県湖南市)をM&A(合併・買収)した。買収額は公表していない。事業継承で悩んでいたマルコーエキスと事業領域拡大を検討していた和束運輸の思惑が一致。これまで培ってきた幹線輸送のノウハウに加え、チルド輸送や重量物運搬、据え付けといったサービスも展開することにより、新規荷主の開拓や既存取引の深耕につなげる。(落合涼二) マルコーエキスは1981年4月、丸工自動車運送(木原泰博社長、京都市南区)のグループ会社として創業し、重量物運搬をはじめ、倉庫、包材販売などを手掛けている。ホームページによると、従業員数75人で、大型ウイング車や大型平ボディー車、ユニック車、冷蔵車など計64台を所有。2014年10月期の売上高は5億5千万円で、滋賀丸工と合わせた売上高は7億円。 和束運輸は1957年1月に設立。2015年1月時点の従業員数が181人。2トン車、4トン車、10トン車、トレーラ合わせて128台を保有し、一般貸切自動車運送事業として小型バス1台、中型バス3台も備える。14年9月期の売上高は28億4500万円。 15年9月期は「結」を基本方針に、地域社会と共存し、安全で豊かな地域社会づくりと環境保全に努める。売上高は30億円を見込んでおり、グループ会社を合わせると36億円程度になる。 M&Aについては、14年10月から協議がスタート。「周囲からの反対もあり、足踏みが続いていた。4月に入り最終決断し、金融機関を入れて話が具体的に進み始めた」(杉本社長) 今後、マルコーエキスと滋賀丸工は和束運輸のグループ会社として位置付けられ、独立採算制で運営する。当面は、杉本社長が社長を兼任し、これから社内システムや給与体系といった管理面を整備。その後は若手を抜てきし、経営を任せていく考え。 和束運輸 1957年1月に設立。資本金1500万円。2トン車4台、4トン23台、10トン97台、トレーラ4台を保有。一般貨物自動車運送事業に加え、一般貸切旅客自動車運送事業なども手掛ける。従業員数は181人。家電メーカーや住宅機器メーカーなどを荷主に持つ。2014年9月期の売上高は28億4500万円。 マルコーエキスプレス 1981年4月に創業。資本金2400万円。大型ウイング車をはじめ、大型平ボディー、4トンウイング車、ユニック車、冷蔵車など64台を保有。従業員数は滋賀丸工運送合わせて75人。情報表示システムや産業用照明機器メーカー、乳業メーカーなどを荷主に持ち、2014年10月期の売上高は7億円。 【写真=買収した2社をグループ会社に位置付け、今後、社内システムなどを整備(和束運輸本社)】