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国交省/自動車行政小委、事業者統廃合に言及 生産性向上が不可欠

行政

2015/06/29 0:00

 国土交通省は25日、トラックやバス、タクシー、整備といった自動車関連産業の経営基盤強化に向け「企業の集約化」を自動車行政の新たな方向性として示した。運輸当局が事業者の統廃合に言及するのは異例だが、事業者側にとってはデリケートな問題であり、どこまで具体的に踏み込めるかは未知数だ。(田中信也)  交通政策審議会陸上交通分科会自動車部会の豊かな未来社会に向けた自動車行政の新たな展開に関する小委員会(山内弘隆委員長、一橋大学大学院教授)の最終会合で、これまでの議論を受けての最終報告書案を提出し、今後の在り方の一つとして提示した。  人口減少が進む中、自動車産業が地域に真に必要なサービスを維持・改善していくには、地域生活・経済への貢献とともに、従業員の雇用安定や処遇の改善が必要――と強調。処遇の充実を図るには、中小規模が多い自動車関連産業では「経営基盤の強化を最優先に目指すべき」として、企業の生産性向上が不可欠とした。  そのためには「集約化による企業規模の拡大が喫緊の課題」と指摘。地域によっては、後継者がいないといった経営者の人手不足も顕在化していることから、「経営能力を持ち、意識が高い経営者の下に集約化を進めていくことが合理的」で、中長期的には産業構造に変革をもたらす、とした。  集約化は、業務拡大による顧客ニーズへの対応や、長距離運送などでの法令順守、価格競争力の強化などの面でメリットがあると強調。半面、事業者側が消極的だったり、財務状況が極めて悪化していたりするケースも多く、重大事故が発生した際に「一定期間、事業計画の変更が認められないなど、(規模が大きいと)成長に対するリスクが取りにくい」など、阻害要因は少なくない。  こうした中で、集約化を進めるに当たっては、地域住民、利用者、従業員などの利害関係者に配慮する一方、集約化に対する理解や情報、ノウハウに乏しい事業者に理解を促すとともに、インセンティブを与えるなど「環境整備を進める必要がある」とした。  例えば、企業集約に関する事例を分析し、その成果を周知させることや、集約化を支援するメニューのPRに加え、促進に向けて関係制度を見直すことなどを挙げている。  委員からは「環境整備の面でインパクトに欠ける。本気で集約化を進めたいのか」との意見があった。これに対し、自動車局側は「(集約化は)強制できないが、新たな方向として打ち出したい」「経営者難で切羽詰まっている事業者もいるので『何年後』(といったロードマップ)などを示したい」と意欲を見せた。ただ、施策の具体化については「金融機関の意見を聞くなど、より検討を深める必要がある」と慎重な姿勢を示した。  最終会合での議論を踏まえ、7月までに最終報告書を取りまとめ、今後の政策に反映させていくことになるが、事業者の統廃合は極めてデリケートなテーマであり、具体化に向けて「本気度」が問われそうだ。 【写真=これまでの議論を受けての最終報告書案を提出】





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