久保運送、KUBOXTに社名変更 新たなステージへ挑戦
物流企業
2015/06/22 0:00
【広島】久保運送(久保満社長、広島市西区)は7月1日付で、社名をKUBOXT(クボックス)に変更する。物流業の垣根を越え、太陽光発電システムの架台の加工・工事など製造・建設の分野まで手掛けており、新たなステージへ挑戦する企業としての決意を込めた。また、8月をメドに商工センター(同区)に新拠点「広島ファクトリー」を着工、12月の完成を目指す。加工やピッキングなど幅広い業務を手掛けることから、名称にファクトリー(工場)を入れた。(江藤和博) 新社名のKUBOXTのうち、BOXは荷物だけでなく、顧客や従業員の思いを込めた「箱」(器の大きさ)の意味。また、Xは「最上級」を目指す意気込み、TはTRUST(信頼)、TEAM(チーム)、TECHNICAL(技術上の)、THANK YOU(感謝)、THINK(思考)、TOGETHER(共に)を表現した。 同時に、コーポレートカラーをブルーに刷新。社名変更の理念を説明したパンフレットを作成し、表紙にはブルーに白抜きで「そこまでやる!」とのタイトルを入れ、単なる運送事業から脱皮する企業姿勢を示した。名刺や車両のデザイン、ユニホームなどは順次、新たなものに代えていく。 一方、商工センターに建設する広島ファクトリーの用地は、公園だった県有地を2014年暮れに落札して購入。敷地が7590平方メートルで、建物は平屋建て、床面積3300平方メートル。当面は、ステージ機材や音響装備、照明などコンサート関係の荷物を保管し、輸送も一貫して請け負う。将来は建材も取り扱う方針。 891平方メートルの屋上には太陽光発電システムを導入し、全量を中国電力に売電する。屋内には天井クレーンを取り入れ、効率化を図る。併設する事務所(2階建て)は、4社の顧客に賃貸する。 久保運送は芸南倉庫(佐伯区)にも天井クレーンを装備しているが、同倉庫が手狭になったこともあり、拠点を新設することにした。芸南倉庫が長期保管型なのに比べ、広島ファクトリーはスルー型として活用する。 同社は2年半前に岡山営業所(岡山市南区)を岡山ファクトリーに名称変更し、サービスの間口を広げてきた。広島ファクトリーは、本社と岡山ファクトリー、滋賀営業所(滋賀県長浜市)、芸南倉庫に続く5カ所目の拠点。今後は、滋賀営業所の移転・拡充も視野に入れている。 久保氏は「多彩なニーズをキャッチできるようになったことから、あえて『運送』という名前と決別した。次のステージに進みたいという意識が社員の中でも高まっている。更に社内の活性化を進めていきたい」と意気込む。 また、今後の営業戦略について「運送『に』付随する仕事ではなく、運送『が』付随する仕事を、技術料やノウハウを武器に開拓していきたい」としている。 15年6月期は、売上高が前期に比べて8%増の13億3千万円、営業利益は60%増の1億500万円になり、売上高営業利益率は8%に達する見込み。今後も売り上げ拡大を図るとともに、売上高営業利益率を更に高めていく。 【写真=「次のステージに進みたいという意識が社員の中にも高まっている」と久保社長】