コンシェルジュドライバーへの道③ ロジコンシェル社長 近藤正幸 あいさつ編Ⅱ 自分から気持よく
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2015/06/18 0:00
今回は引き続き、あいさつについてお伝えしていきます。新入社員の教育においては、お客さまから声を掛けられる際に「会社名ではなく、名前で呼ばれるようになれば一人前」という教えをしている企業も多いと思いますが、どのような対応をしていれば、相手に覚えてもらえるのでしょうか。 まずは、自分から率先してあいさつを心掛けることです。「気持ちのいいあいさつ」をされて嫌な気持ちになる人はいないでしょう。重要なのは、自分から「気持ちのいいあいさつ」をすることです。前回の基礎編では、あいさつとは「相手が感じるものが全て」という話をしましたが、同様にどちらからあいさつしたかは、相手が感じるものが全てでしょう。 特に、法人向けの対応では、担当者にはあいさつしていても、担当者以外の方へは「気持ちのいいあいさつ」ができていないこともあるのではないでしょうか。相手先企業からすれば、担当者以外の方も、自社へ出入りしている取引先については誰もが、その対応を見ていることでしょう。 また、特定の地域を担当しているドライバーの場合は、その地域の皆さまが見ていることでしょう。どんなに配達時や集荷時のあいさつ・対応が良くても、それ以外のところで印象が悪ければ、その人、その会社の印象は良くなりません。その一方で、誰に対しても「気持ちのいいあいさつ」ができる人は、相手先企業や地域で、その人、その会社は「いつも気持ちのいいあいさつ」という印象になるでしょう。 この「いつも○○さんは、○○ですね」という印象になれば、その時、既に相手の方は覚えていることになります。取引先企業や地域で「○○さん頑張ってね」と言われれば、仕事も更に楽しくなるものです。飲食店やガソリンスタンドなどで、とても気持ちのいいあいさつを受けて、思わず店員さんに「頑張ってね」と声を掛けたことのある方も多いのではないでしょうか。 大手にも、中小運送会社にも、人気者のドライバーは必ずいると思いますが、共通して言えることは「気持ちのいいあいさつ」ができる人ではないでしょうか。「気持ちのいいあいさつ」は、仕事が楽しくなって人気者になる第一歩です。 一言でドライバーと言っても、様々な経歴の方がいます。証券会社や信用金庫などの金融業界、メーカー、卸、小売業界のほか、プロ野球選手や寿司職人など、たとえどのような業界を経験された方であっても、ドライバーとしての人気の秘訣(ひけつ)は共通して言えるようです。 忙しい時に疲れも吹き飛ぶ気持ちの込もった「ありがとう」の言葉、繁忙期にお客さまからいただいたジュースやパン、手作りのおにぎりで助手席がいっぱいになった時のうれしさや感動、担当が変わる際に、日頃は恐いと思っていたお客さまからいただいた優しい激励のメッセージなどをもらった時は、ドライバーとしてのやりがい、楽しさを更に実感できる瞬間です。ぜひ、今まで以上に「気持ちのいいあいさつ」を実践してみてください。 自分がどれだけ一生懸命に「気持ちのいいあいさつ」をしても、相手にされないこともあります。ぜひ、その時は、自分のあいさつ・対応に磨きを掛ける良い機会と思って、楽しみながら、更に磨きを掛けてみてください。そして、相手の反応が変わる瞬間を、より多く経験してみてください。いつもの「ありがとう」よりも更にうれしさが大きいことでしょう。このような小さな感動の一つ一つも必ず仕事のやりがいにつながっていきますので、ぜひ、より多くの体験をしてください。 最近では、飲食店に限らず、ネームプレートや名刺にニックネームや趣味を記載するなどユニークな対応をしている企業も増えてきました。企業の方針や取引先企業の業界、習慣にもよりますが、基礎を身に着け、その応用で、更に独自の個性や社風を生かして差別化を図っていくこともよいのではないでしょうか。 取引先企業やお客さまも常に変化しているため、固定観念の無い新入社員の意見を取り入れてみたり、女性スタッフやアルバイトの意見を聞いたりすることで参考になることもあると思います。その変化を敏感に感じ、適用していけるドライバー、企業が、新たなチャンスをつかむことになるでしょうか。しかしながら、それも基礎ができた上での応用になりますので、ぜひ、基礎を身に着け、次の一手を考えてみてはいかがでしょうか。