プロロジス、年400億~600億円投資 湾岸・内陸バランス良く開発
産業
2015/06/08 0:00
プロロジス(山田御酒社長、東京都千代田区)は3日、大阪市で記者会見を開き、日本市場における今後の投資額について、年間400億〜600億円を維持、開発規模としては40万平方メートルを見込む考えを示した。山田社長は「平地が少なく、経済規模の割に土地の確保が難しい。輸入貨物が多いという特徴もあり、同業他社含め湾岸エリアに集中。内陸部の需要は多く、土地があれば積極的に購入し、湾岸と内陸をバランス良く開発したい」と述べた。(蓮尾輝) ハミード・R・モガダム会長兼CEO(最高経営責任者)も出席し、「米国や欧州は施設の供給がマーケット需要に追い付いておらず、空室率も低い」と説明。EC(電子商取引)の成長が世界的な新規物件の開発を促進しており、特に日本では、サプライチェーン(供給網)の再構築が物流不動産ニーズをけん引する要因――と話した。 関西圏の内陸部物件として、記者会見に先立ち起工式が行われたプロロジスパーク茨木(大阪府茨木市)を紹介した。日本で開発した物流施設79棟の中で最大の延べ床面積(18万9700平方メートル)を持つだけでなく、制震ブレーズも採用。非常用発電機をはじめ、地下水を1階のトイレ洗浄水に利用できる装置を用いることで、断水時でも使用可能な環境を整える。 山田氏は「土地、建物を含めた総投資額は350億円。2016年9月の竣工時にはテナントが50%決まっていると見ており、完成後1年間で稼働率90%が目標」と述べた。テナントについては「様々な企業から問い合わせが寄せられており、広い業種と関係を構築していきたい」と話し、付加価値の高い医薬品、温度管理を必要とする食品関係の業種を希望に挙げた。 関西圏で計画中の施設は、18年夏完成予定のプロロジスパーク京田辺(京都府京田辺市)と16年10月のプロロジスパーク神戸2(神戸市西区)の2棟で、このうち京田辺は同社初となる京都府での開発。今後の開発について、山田氏は「最近は、行政が物流施設に対するイメージを変え、協力的な姿勢を見せている。機会があれば、新名神高速道路周辺で検討したい」と語った。 【写真=記者会見に臨むモガダム会長兼CEO(左)と山田社長】