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国交省/物流小委、運転者不足・災害危機に対応 荷主や物流事業者から聴取

行政

2015/06/04 0:00

 国土交通省は5月29日、社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会の物流小委員会(根本敏則委員長、一橋大学大学院教授)と交通政策審議会交通体系分科会物流部会の物流体系小委員会(同)の初となる合同会議を開き、荷主、物流事業者などにヒアリングした。長距離トラックドライバー不足や大規模災害への危機意識から、鉄道・内航海運へのモーダルシフトやトラックによる共同運行の取り組みが進んでいる半面、更なる拡大に向けた課題も浮き彫りになった。(田中信也)  ヒアリングは、4月30日に開かれた交政審の物流部会(野尻俊明部会長、流通経済大学学長)と社整審の基本政策部会(家田仁部会長、東京大学教授)の初会合で示された検討の視点を深掘りするもの。今回は、モーダルシフトの展開とトラック輸送の効率化をテーマに、5者に対して実施した。  鉄道利用では、トヨタ自動車が「輸送中の荷崩れや部品のダメージはほとんど無く、ドライバー不足や二酸化炭素(CO2)削減に寄与する」(熊沢洋一・生産部品物流部長)、イオングローバルSCM(山口緑社長、千葉市美浜区)も「2012年度のCO2排出量は06年度比で27万トン削減された」(坪井康彦・事業本部運営統括部運営管理部部長)と高く評価した。  一方、「事故発生時のリスク対応や、荷物量変動への柔軟な対応」(熊沢氏)などが課題として挙がった。荷物変動に関しては坪井氏が、10年に立ち上げた「イオン鉄道輸送研究会」の活動を紹介した。メーカー21社、物流事業者10社が参加(5月末現在)し、マッチングなどを研究。花王と共同で週1便運行する31フィートコンテナの往復輸送や、メーカー4社との14年末臨時列車、同6社共同の15年ゴールデンウイーク期間共同専用列車の運行といった成果を上げている――とした。  内航海運に関しては、味の素の魚住和宏・物流企画部専任部長が、500キロ以上の幹線輸送を内航海運と鉄道で100%カバーすることを目指す「スーパーグリーンロジスティクス構想」で、「14年に本格導入し、15年4月時点で対象区間の70%、うち内航は35%に上る」と紹介した。  長距離トラックドライバー不足が取り組み開始のきっかけで、内航海運と鉄道との「複線化」で、輸送の効率化と荷物波動への対応を両立。内航海運は①定時性②少ない欠航・輸送障害③高い物流品質④比較的柔軟な運航数――など鉄道以上にメリットが多いと指摘した。ただ、荷主へのアピールが不足しているとして、「フェリー・貨物専用船の航路一覧をPRしてはどうか」と提起した。  井本商運(井本隆之社長、神戸市中央区)の葛西直樹営業部営業課長が、内航コンテナ船専業者の立場からISO(国際標準規格)海上コンテナによる国内輸送網構築の構想を提案。全国物流ネットワーク協会(瀬戸薫会長)の山内信幸専務は、特積事業者による共同運行の事例を紹介した。  具体的には、セイノーホールディングスと福山通運の共同出資会社による共同運行、第一貨物(武藤幸規社長、山形市)、トナミ運輸(綿貫勝介社長、富山県高岡市)、久留米運送(二又茂明社長、福岡県久留米市)の3者提携による共同運行や中継輸送の取り組みなどを説明した。  委員との質疑では、貨物鉄道や内航海運を活用する上でのメリットとデメリットや、共同運行で事業者をマッチングする上での課題に質問が集中した。  鉄道では「労働力不足によるトラック運賃の値上げ幅に比べると、鉄道貨物は小さくコスト増加分を吸収できる」(魚住氏)、「31フィートコンテナに対応できる貨物駅が増えれば、更に拡大できる」(熊沢氏)、内航海運では「(内航船が)寄港できるバースと(待機トラックがあふれる)港湾道路、二つの混雑を解消する必要がある」(葛西氏)などと回答。共同運行に関しては、「(共同化の)アライアンスを求荷・求車システムに取り込むなど標準化を実現したい」(山内氏)との意見が上がった。 【写真=長距離トラックドライバー不足や大規模災害への危機意識から取り組みが進む】





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