中野運送、センター建設に着手 来年3月竣工めざす
物流企業
2015/05/14 0:00
【大阪】中野運送(中野由彦社長、大阪市北区)は、大阪市西淀川区で流通加工に対応したスルー型センターの建設に着手する。既存拠点の機能を補完するだけでなく、新たな業務拡大に向けた戦略的拠点として運営する。(小菓史和) 8710平方メートルの敷地に鉄骨造り2階建てセンター(延べ床面積3630平方メートル)と2階建て事務所棟(330平方メートル)を建設する。8月をメドに着工し、2016年3月竣工を目指す。 耐火構造で、完成後は営業倉庫の登録を予定。ホームを設けず低床構造にすることで、幅広い荷物に対応する。1階の耐荷重は1平方メートル当たり1.5トン、2階が1.2トンを想定しており、比較的重量のある荷物も保管できる。 1階と2階は3トン積みエレベーター1基と1トン積み連続搬送機1基で結ばれ、スルー型拠点に適している上、ギフト品のセットアップやノベルティーグッズ付けといった流通加工と入出庫作業が効率良く行える。 照明は全てLED(発光ダイオード)を採用し、省エネルギーに配慮した。屋根への断熱効果を狙って屋上には太陽光発電パネルを設置、全量を売電するとともに、2階部分の室温上昇を抑えることで、空調による電力消費を抑える。周辺環境にも考慮し、敷地内の緑化にも力を入れる。また、自然災害における浸水被害を最小限に防ぐため、電源設備は地上から高い場所に配置する。 西大阪営業所(西淀川区)から1キロと近く、既存荷主の拠点へのアクセスも良い。車両配置を見直し、大型3台、4トン10 台、2トン3台を置く計画。他の拠点の能力が限界に近付いており、業務分担を一部見直すことで効率化につなげる。 8年前に用地を取得、活用方法について慎重に検討を重ねてきた。得意の酒類や飲料、食品関連の物流品質を更に高めるとともに、これまで手掛けていなかった新たな分野への業務拡大を目指し、はん用性の高い拠点建設に踏み切ることにした。 中野社長は「これまでと違う仕事にも積極的に挑戦していく。敷地には、まだ余裕があり、今回は1期工事と考えている。顧客のニーズに対応するだけでなく、一歩先んじることで新たな需要喚起につなげたい」と話す。 【写真=屋根への断熱効果を狙って屋上には太陽光発電パネルを設置(完成予想図)】