難病の赤ちゃん救え 香ト協、心臓移植むけ募金活動
団体
2015/05/11 0:00
生後1カ月あまりで原因不明の病を患い、米国での心臓移植手術へ望みを託す大林夏奈ちゃん(0歳9カ月)を救おうと、香川県トラック協会(楠木寿嗣会長)は募金活動を展開し、集まった325万5102円を1日、「ななちゃんを救う会」(山内英司・後藤耕司共同代表)に贈った。楠木会長は「危険と隣り合わせのトラック業界として、命の大切さを強く認識し、全国に支援の輪を広げたい」とコメント。全日本トラック協会(星野良三会長)や四国トラック協会連合会(粟飯原一平会長)などにも協力を要請している。(江藤和博) 夏奈ちゃんは、高松市場運送(高松市)の成木肇社長の姪の長女で、成木氏の妹、真由美さんの孫にあたる。心臓が拡張し、筋力が弱った結果、血液をうまく送り出せなくなる原因不明の難病、拡張型心筋症を患っている。現在、大阪大学医学部付属病院に入院し、小児用人工心臓を装着して小康状態を保っているが、常に重篤な心不全による突然死と隣り合わせの状況にある。 残された唯一の治療は心臓移植だが、日本で行うのは難しく、両親は米国での移植手術を決断。しかし、費用はデポジット(前払い医療費)を含めて2億8千万円必要で、個人で負担できる金額ではない。このため、父親の謙一さんの出身地である大阪市と母親の奈央さんの出身地、高松市で救う会の事務局を開設。香ト協会員の朝日通商(高松市)の後藤耕司社長が代表の一人となって募金活動を行っている。 香ト協では、支部の総会などで会員に呼び掛けるとともに、青年協議会(松本英高会長)による街角募金キャンペーンを実施。今後も活動を継続し、全面的に支援していく。 トラック総合会館で行われた贈呈式には、香ト協から楠木氏のほか、尾崎康宏副会長、松本青年協議会会長、前谷勉専務らが出席。楠木氏が救う会の江波戸功一事務局長に贈呈金の目録を手渡した。 江波戸氏は「立派な募金に感謝の言葉も無い。お陰さまで、ななちゃんは小康状態を保っており、離乳食を食べている。一刻も早くアメリカで移植させたい」と謝辞を述べた。 また、楠木氏は「我々は日頃から安全活動を積極的に展開しているが、残念ながら事故も起きている。運送事業を担う者として、命の大切さを再認識するためにも、全国に募金を訴えていきたい」と話した。 【写真=救う会の江波戸事務局長に目録を手渡す楠木会長(右)】