淡路貨物自動車、ダイレクト便を強化 引越需要も取り込み
物流企業
2015/04/30 0:00
【兵庫】淡路貨物自動車(小田美穂社長、兵庫県洲本市)は今期から、神戸・大阪地区などに荷物を引き取りに行き、顧客のところまで直接運ぶダイレクト便の拡大に本腰を入れる。また、2014年から大手引越業者の協力会社として3、4月の繁忙期の仕事を請け負っており、今後は繁忙期以外の需要も取り込んでいきたい考え。神戸営業所(神戸市兵庫区)を中心に手掛けている郵便事業では、全社的に主力の業務となっており、積極的に増車していく方針だ。(江藤和博) 前期は内部充実に力を注ぎ、14年9月には本社に燃料のインタンクを設置。淡路島内の車両だけでなく、神戸営業所の車両も給油して帰るなどして、大幅なコスト削減に成功した。05年に認証を取得した品質管理の国際規格ISO9001の定期審査も終え、事故率の低下や品質管理の向上を確認。更なる安全・品質のレベルアップに力を入れている。 一方、指定自動車整備事業も行っているが、5人のスタッフのうち3人が取得していた2級ディーゼル自動車整備士の国家試験に、他の2人も合格。淡路島で整備工場を持っている運送会社は同社だけで、この分野の充実も進めている。 路線免許を保有していた時期に、引越事業専門の部署を設けていたものの、その後に撤退。今では、淡路島に引越専門業者はおらず、大手専門業者のネームバリューを生かしながら、神戸だけでなく淡路島内も含めて需要を掘り起こし、年間を通じて仕事を確保していく。 郵便事業は神戸営業所を中心に25~30台を配置。ニーズは強く、増車の方向だ。今年に入って、他の仕事に従事する車両を含めて4トン車2台、大型車1台を購入。神主を呼び新車導入の儀式を初めて本社で執り行った。 宮崎順次常務(52)は「ダイレクト便は、電化・鉄鋼製品などを扱っているが、時間短縮となり荷主に喜ばれている。月々の売り上げの計算もできるので他の荷物も取り込み、強化していきたい」と話す。 小田社長(82)も「念願だった南あわじ市企業団地への拠点集約化に引き続き取り組んでいく。淡路島内にある4カ所の営業所を1カ所にまとめれば、大幅なコストダウンができ、収支の改善が可能だ。絶対に実現させたい。その一方で、神戸営業所は周辺が狭あい化しており、もっと広い土地があれば出て行って規模を拡大したい」と意欲をみせる。 【写真=年間を通した需要取り込みに意欲をみせる宮崎常務(左)と小田社長】