作家・林芙美子の文学碑、太陽運輸倉庫会長が建立 鹿児島・城山に
物流企業
2015/04/30 0:00
「放浪記」や「浮雲」などの作品で知られる鹿児島ゆかりの作家、林芙美子(1903~51年)の文学碑が、城山観光ホテル(鹿児島市)の敷地に建てられた。 芙美子のおいに当たる太陽運輸倉庫(重久修一社長、同市)会長の重久紘三氏(75)が個人で寄贈。4月22日に催された除幕式には100人が出席した。 文学碑は、鹿児島女子短期大学の井上周一郎准教授がデザイン。城山から桜島の風景が一望できるホテルの噴水広場に建立した。高さ1.3メートル、幅3メートルのカッカーラ産(イタリア)大理石に「花のいのちはみじかくて」の一文を含む詩稿が、芙美子の筆跡で刻まれている。本人が好きだったタンポポもレリーフで添えた。 式典で、重久氏は「文学碑に刻んだ『風も吹くなり雲も光るなり』のフレーズに鮮烈な印象を受けた。浮き沈みを重ねた事業を振り返ると、まさに詩の通りであり、将来への希望と一歩を踏み出す勇気をもらった。おばが好きだった城山に文学碑を建てたかった」との思いを打ち明けた。 城山観光ホテルを運営する城山観光(鹿児島市)の伊牟田均社長は「鹿児島の文化財、観光資源として貴重なものになる」と謝意を述べた。 芙美子は幼少の一時期、鹿児島市の城山のふもとにある小学校に通い、山に登って美しい海や桜島、町並みを眺めることが好きだったという。(上田慎二) 【写真=桜島が一望できる城山に文学碑を建立】