多治見通運、3PL事業をスタート BCP需要も見込む
物流企業
2015/04/30 0:00
多治見通運(武藤利樹社長、岐阜県多治見市)は5月1日、本格的なサードパーティー・ロジスティクス(3PL)事業をスタートさせる。本社併設の倉庫施設を拠点とし、入出庫管理から物流加工、輸送までを一貫して手掛けるもので、東海・東南海地震に備えた顧客のBCP(事業継続計画)需要も見込む。(星野誠) 3PL事業の拠点となるのは、7棟の本社倉庫のうち、延べ床面積4500平方メートルで、鉄骨造り平屋建ての第3倉庫。国道248号沿いで、中央自動車道・多治見インターチェンジ(IC、多治見市)から2キロの好立地にある。 主に食料品や日用雑貨などを扱う予定で、物流加工も行うため、倉庫の一角に面積660平方メートルの作業室を新設。作業室は商品種別に応じて細かく区切られ、厳重な衛生管理を行う専用スペースには、二重扉と手洗い所を設置した。 倉庫部の松浦勇二部長は「異物混入事件の多発で衛生管理が問われている食品関係はもとより、洗剤などの商品も安全対策が求められる。取扱品目が多岐にわたるので、きめ細かい対応をしていきたい」と説明する。 4月22日からは、女性スタッフがパンフレットの折り込み作業を前倒しで開始している。 入出庫作業についても、万全の体制を整える。天井の鉄骨部分までは高さ6㍍あり、排水溝が付いた幅5メートルの通路を確保しているため、雨天でも倉庫内で大型トラックの積み下ろしが可能。 更に、本格3PL事業のスタートに合わせ、自社ロゴマーク入りのパレット、木製千枚、プラスチック製500枚をそれぞれ製作。フォークリフトのツメによる破損を防ぐため、木製パレットは差し口に硬質の木材を使った特注品にしている。 スタッフは、入出庫作業に6人、物流加工にパート従業員を含めた11人を配置。繁忙期はリフトマンなどを補充し、最大で20人体制となる。 武藤社長は「これまで近い仕事はしていたものの、本格的な3PL事業は初めてで、我が社が目指す『物流商社』に向けた大きな一歩。人材と施設を効率的に活用し、中小トラック事業者が手掛ける3PLのモデルケースにしたい」と強調。更に、「ここ東濃地区は比較的地盤が固く、大規模地震の被害も少ないと予想されているため、自動車メーカー関連施設などの建設が相次いでいる。我が社の3PL事業は、顧客企業のBCP対策でも役立つはず。しっかりとPRしていきたい」と力を込める。 【写真=3PL事業の拠点となる本社第3倉庫】