丸和運輸機関、経営支援組織が始動 パートナー企業の成長促進
物流企業
2015/04/30 0:00
「日本最大の物流ネットワークを構築し、10年後に売上高1千億円を目指す」――。丸和運輸機関は23日、10年以上前から準備を進めてきたパートナー企業のための経営支援ネットワーク「AZ―COM丸和・支援ネットワーク」(AZ―COMネット)の発会式を東京都内のホテルで開き、会員138社の組織として始動した。2016年3月までに250社、26年3月までには2千社という過去に例の無い最大規模の組織を目指す。(谷本博) 東京証券取引所第1部への指定をにらみ、14年10月から説明会を重ねてきた。1部指定と絡み、大型事業の新規受注が目白押しとなっているため、調達資金をネットワーク組織に活用し、パートナー企業の成長エンジンとしていく。具体的な会員支援として、共同購入によるスケールメリットの追求や支払いサイトの短縮がある。燃料の共同購入では、全国ネットのフリート契約により、スタンド納入で現行より1リットル当たり20円以上の引き下げを目指す。 車両購入でもAZ―COMスタンダードを構築し、大型車で100万円、4トン車50万円、2トン車30万円、軽車両でも20万円のコストカットを実現。事務用品や各種備品についても、会員専用サイトで20%から80%引きを目指す。 支払いサイトは正会員の場合20日、準会員25日、賛助会員30日という大幅な短縮を図り、パートナー企業のキャッシュフローを改善。更に、低金利の資金調達による支払金利の低減や人財育成支援なども挙げている。 当面はネットワーク拡大に力を入れ、3年後の目標に会員750社、1日当たりの稼働車両数1万台、年間売上高350億円を掲げる。10年後には、それぞれ2千社、3万台、1千億円に引き上げる。 発会式に合わせて開かれた設立総会では、会則規約や初年度事業計画、予算などを原案通り承認。役員選任では、3月20日の設立発起人会で理事8人、監事2人を選出し、丸和運輸機関の和佐見勝社長の理事長就任を全会一致で承認している。 設立総会に続いて行われたパーティーでは、和佐見氏が「東証1部指定を1年と2日という業界最速で実現できたのは、多くの関係者の皆さまの支援のお陰。当社は創立70周年を迎える2040年に1兆円企業を目指すことを社員全員で確認したばかり。AZ―COMネットは、上場企業だからこそできる事業だと確信している。こうしたネットづくりは業界初の試みであり、過去に例の無い会員2千社という最大の組織を目指していく。実現した暁にはバイイングパワーのすごさを実感するはず」と意気込みを語った。 【写真=「バイイングパワーのすごさを実感するはず」と和佐見社長】