ティアンドティ、水陸両用バスが好調 観光振興に一役
物流企業
2015/04/27 0:00
【滋賀】貨物運送事業者のティアンドティ・コーポレーション(川崎隆弘社長、滋賀県長浜市)では、観光バス事業部の手掛ける水陸両用バス運行事業が好調だ。豪快に水しぶきを上げて進水する様子や、普段なかなか目にすることの無い琵琶湖上からの眺めが観光客の人気を集めている。(小菓史和) 2014年から地元の観光振興の一環として、大阪の旅行会社とタイアップし水陸両用バスを使った「びわ湖ダックツアー」をスタート。3~11月までの予定で、45分のコースを毎日7回運行しており、湖上から長浜城、伊吹山、竹生島などの景色を楽しめるのが特長。 長浜市内には名所・旧跡や古い町並みが多く、毎年200万人以上の観光客が訪れているものの、琵琶湖を活用した観光コースは少なかった。長浜港に船舶搬出入用のスロープがあり、大阪などで運行されている水陸両用バスの航行が可能なことから、事業化に踏み切った。 昨年は延べ2万5千人が利用。県外からの観光客が7割を占めており、観光振興にも一役買えることから引き続きPRに努め、今年は2万8千人の利用を見込んでいる。 ティアンドティ・コーポレーションは1996年の設立で、金属加工会社の輸送業務を軸に業容を拡大。環境関連事業なども手掛ける。一方、高齢化社会の進展やバス路線の整理・縮小の影響で、各種施設への送迎バス運行のニーズが高まったことから、2001年には観光バス事業にも進出し、現在8台を保有する。 川崎社長(58)は「トラック輸送の更なる品質向上に努めるとともに、地域密着の周辺事業を積極的に拡大していく。5年後には全国各地で水陸両用バスを運行したい」と話している。 【写真=3~11月までの予定で45分のコースを毎日7回運行】