アサヒ、秋田・岩手に拠点 売上高 5年で4割増
物流企業
2015/04/27 0:00
アサヒロジスティクス(横塚元樹社長、埼玉県嵐山町)は、6月までに秋田、岩手、神奈川の3県で拠点を新設し、東日本エリアのネットワークを強化する。2016年3月期の目標である売上高240億円、経常利益率5%を足掛かりに、5カ年中期経営計画の最終年度となる20年3月期は、グループ売上高320億円達成を見込む。東日本全域を網羅する盤石な拠点網を完成させ、物流インフラ企業として「東日本のアサヒ」を目指す。(小瀬川厚) 21日、東京都で開いた経営計画発表会で、横塚社長が中計の内容を明らかにした。 6月に本社機能をさいたま市大宮区に移転。事業エリアの拡大を見据え、東北、上越、北陸、秋田、山形の各新幹線が乗り入れ、都心から30分程度と東日本の各地域へのアクセスに優れるJR大宮駅近くに本拠を置く。BCP(事業継続計画)や将来の人材確保も視野に、昨秋から移転を検討していた。 また、秋田県と岩手県に初めて進出。4月に秋田営業所(秋田市)、6月には北上営業所(岩手県北上市)を立ち上げる。神奈川営業所(相模原市中央区)も近く稼働させる。それぞれ10~25台の車両を配置し、コンビニエンスストア向け配送を行う。 14年度にドライバー231人を増員したことを受け、教育体制拡充にも着手。今期中に埼玉県滑川町の自社所有地にテストコースや運転シミュレーターを備えた研修施設を建設する。1万1500平方メートルの敷地に平屋建て床面積420平方メートルの研修棟を建て、屋上からテストコースを見渡せるよう見学台を設ける。 15年3月期の売上高は、M&A(合併・買収)ではなく大口荷主の新規受注などにより前の期比17.6%増の227億円(連結230億円)を確保。過去10年間で最も高い伸びを示したが、横塚氏は「規模の拡大に満足してはならない。冷静に事業を見つめると課題は山積している。中身を伴わなければ、『成長』ではなく『膨張』になってしまう」と指摘。今期スローガンの「ダントツのS&Q(安全・品質)を確立しよう!!」の下、安全・品質管理の更なる向上を図っていく考えを示した。 横塚氏は、40分間に及ぶ説明の中で「5千店舗向けの配送を毎日行っており、面で抑えられる強みがある。今期の売り上げ目標は、見込み売り上げを加えず策定している。地に足を付けて『仕組み』をつくり、今後の発展に向けた足場固めの年としたい」と強調した。 今回の発表会は、従来の取引先や金融機関、同業者向けの内容から、従業員を強く意識したものに変更したのが特徴で、従業員を会場の前方に着席させた。 また、発表会に先立ち、自主管理経営優秀拠点、改善事例優秀拠点、ベストドライバー・永年勤続者表彰も行った。 【写真=「規模の拡大に満足してはならない」と横塚社長】