プライド物流、3セクション制に再編 「工事チーム」新設
物流企業
2015/04/23 0:00
【三重】プライド物流(八木昭人社長、三重県川越町)は1日、大幅な組織変更を行った。主力業務に関わるセクションを3部に再編し、物流部内に作業専門の「工事チーム」を新設した。7月には給与体系も全面的に改定、時間給制度を導入する。(星野誠) 3部の内訳は、建設資材の入出庫とメンテナンスを行う「センター管理部」、配車チーム及び総務管理チームからなる「運行管理部」、輸送業務や関連作業を行う「物流部」。このうち物流部は、三つの物流チームと新たに設けた工事チームで構成する。 八木社長は「これまで社内では、センター管理部を『ヤード』、運行管理部は『配車センター』、物流部が『ドライバー』とそれぞれ通称で呼んでいた。役割分担をより明確にした上で、正式名称として部に再編した。準備に半年かかったものの、満足がいく形になった」と説明。 一方、工事チームを新設した理由については、「運搬と作業のスタッフを分けることにより、ドライバーが輸送業務に特化できる。例えば、ユニットハウスを運んで設営する時に、ドライバーが現場に張りつく必要が無くなるため、他の仕事もこなせるようになる。荷物とスタッフを同時に運べるダブルピック車を増車し、建設事業の許可も申請している」という。 現場作業には豊富な専門知識と経験が求められるため、工事チームには、入社10年以上のスタッフを3人配置した。「運賃とは別に作業料金をいただく以上、プロフェッショナルの仕事をするのは当然。玉掛けや移動式クレーン、顧客によっては更に細かい資格も必要だが、それが付加価値であり、他社にまねできない強み」(八木氏) 物流部を構成する各チームの社員は職能に応じて、上からリーダー、インストラクター、マイスター、一般社員の4等級に分かれる。7月から導入する時間給制では、4等級が給与計算のベースとなる。八木氏は「資格や知識などの職能で給料が上がる、分かりやすい給与体系。残業代は全て支払った上で、適正な労働時間管理に努めていきたい。顧客満足のためには、社員の満足も不可欠」と強調する。 2015年春には、女性1人を含む高卒新入社員9人を採用し、従業員数は97人となった。「プロフェッショナル=基本」を今期のスローガンに掲げ、大幅な組織変更に踏み切った背景には、トラック業界の地位向上への思いがある。 八木氏は「トラック、バス、タクシーが事故を起こすと、『運転手』という表現で報じられる。本来は会社員と呼ぶべきで、職業差別ではないか。こうした風潮を払しょくするため、仕事に誇りを持つプロフェッショナルを育て、若い人が憧れる、魅力ある業界にしたい」と力を込める。 【写真=本社には「プロフェッショナル=基本」のスローガンを掲示】