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準中型免許、道交法改正案 参院を通過 初心者マークなど不備

行政

2015/04/20 0:00

 16日の参院内閣委員会(大島九州男委員長)で、車両総重量3.5トン以上7.5トン未満の貨物自動車を対象とした「準中型自動車免許」を新設する道路交通法の一部改正案が審議され、賛成多数で了承、翌17日の本会議で可決された。内閣委では、芝博一氏(三重、民主党)が「準中型免許取得者の初心運転者標識(初心者マーク)について、乗用車などを運転する際は義務付けが無い」と不備を指摘。これを受け、「同法施行後、速やかに必要な見直しを行う」ことが付帯決議として盛り込まれた。(田中信也)  改正案では、準中型取得から1年以内は初心者マークを車の前と後ろに表示する義務があり、違反した場合は再試験の対象になる――と規定している。これに関し、芝氏が「(普通自動車免許が無く)初めて準中型を取ってセダンなどに乗る場合は、初心者マークの表示義務があるのか」と質問。警察庁の鈴木基久交通局長は「普通車では義務が無い」と回答し、委員から驚きの声が上がった。  「大きな車両を想定した試験や教習を行うので、(運転の初心者でも)高度な技能や知識を有しているはず」との鈴木氏の答弁に対し、芝氏は「初めて公道を走るドライバーは運転技術が未熟なので、(普通車でも)表示すべき」と反論した。  更に、普通免許の初心運転者に対しては、幅寄せや割り込みといった行為をしてはならない保護義務が周囲の車両に発生するが、準中型では義務が無いことも問題視。山谷えり子国家公安委員長が「車格が大きいので、(保護義務の)対象にならない」と答えたものの、「車両ではなく、人を対象に考えるべき。準中型でも初心者は初心者」と指摘した。  ただ、芝氏は法案には賛成する意向を示し、「施行後に速やかに見直す」よう要請。山谷氏も「(芝氏の)指摘はもっともで、施行後に事故状況などを分析の上、問題があれば適切に対応したい」と応じた。  また、若松謙維氏(比例、公明党)は「トラック業界の労働力不足が準中型免許創設の一因である」とした上で、「入社前から準中型を取得しているケースはほぼ無いと思われる。取得費用を事業者が負担する可能性がある。中小事業者に配慮し、負担軽減策を検討して欲しい」と要望。  これに対し、国土交通省の宮城直樹大臣官房審議官(自動車局)が「全日本トラック協会が1社一人当たり上限10万円の助成をしているが、(準中型に関しても)全ト協と連携して考えたい」との見解を示した。  上月良祐氏(茨城、自民党)の「(普通免許の取得を経ずに)いきなり取れるのは、少なからず心配」との懸念に対しては、鈴木氏が「当該車両を使用した走行実験の結果、20歳未満が能力で劣っていないことは分かっており、講習や再試験など制度設計も十分に行っていく」と説明した。  参院本会議での可決を受け、改正案は衆院に送られる。衆院では重要法案が目白押しのため、審議入りのメドは立っていない。ただ、参院を早期に通過したことで、今国会で成立の可能性は高くなった。 【写真=「準中型でも初心者は初心者」と芝参院議員】





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