物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

<トップに聞く>丸紅ロジスティクス社長・細田盛継氏 国内基盤固め海外へ 経営的視点でロジ提供

団体

2015/04/16 0:00

 丸紅の100%子会社であるロジパートナーズと丸紅物流の合併により、丸紅ロジスティクス(細田盛継社長、東京都千代田区)が4月1日に誕生した。国内3PL(サードパーティー・ロジスティクス)と海外フォワーディングの両事業領域を統合し、サプライチェーン全体の最適化を図るロジスティクスソリューションを提供するのが狙い。細田社長は「経営的視点に基づくロジスティクスを提案したい」と意気込みを語る。  ――合併に踏み切った理由は。  ロジパートナーズと丸紅物流でサービス分野をすみ分けてきたが、荷主が海外展開を加速する中、国内にとどまらず、海外での在庫保管や3国間輸送を含むクロスボーダー物流の要請が増加している。顧客のニーズに対応するには両社の統合が必要と判断した。物流業界で勝ち残るために何をすべきか――という危機意識が推進力となった。  ――18年3月期のグループ売り上げは525億円を目標に掲げる。  15年3月期のグループ売り上げは約330億円。事業規模を1.6倍にする計画だが、目標達成の道筋は見えている。通関事業者(インターフォワードシステムズ)を2014年12月にM&A(合併・買収)したのに続き、10月1日付でアシックス物流(戒井治社長、兵庫県西宮市)の全株式を譲り受け、同社の親会社であるアシックスの国内物流業務を受託する。新規顧客開拓などが順調に推移すれば、17年3月期に525億円を突破できるだろう。次の段階は1千億円を視野に入れる。  ――セグメント別の営業戦略は。  国内はシェアを取っていくのが先決。スポーツ・アパレル、菓子・食品、ペットフード、紙など、得意な分野をより一層伸ばす。運賃などのコスト上昇が進む中で物流共同化を進め、潜在的なニーズを取り込みたい。例えば、14年4月に開始したペットフードの共同配送は業界初の挑戦。今後もこうしたサービスを積極的に提供する。16年3月期の国内事業の売り上げは205億円を見込む。国内の基盤を固めながら、海外に打って出ていく。  ――国際・海外事業もシナジーを追求する。  16年3月期の国際・海外事業規模は230億円程度と予想している。国際物流が成長戦略の命運を握るが、ネットワークが不足している。ASEAN(東南アジア諸国連合)や中国、米国に注力していく方針の下、4月からベトナム、シンガポール、タイ、米国に駐在員を増員する。その他の地域への駐在員配置も検討しており、海外ニーズに即応できる準備を進めている。  ――丸紅ロジスティクスの特徴を挙げると。  商流と物流の一体型の機能を活用し、企画から現場運営に至るサービスを自社で完結できるのは、他社に負けない強みだ。お客さまと接して感じるのは、全体最適の視点を有しているか否か。単品の効率性は追求しても、広い視野では果たしてどうか、という疑問を経営者が抱いている。物流への関心がそれだけ高まっているのだと思う。これからの物流は共同化が最大のテーマとなる。高度な専門性を身に着けた人材を育成していく。文・写真 沢田顕嗣  ほそだ・もりつぐ 1958年1月生まれ。82年一橋大学商学部を卒業、丸紅入社。運輸通関部、輸出運輸部、米国勤務などを経て、2000年4月物流保険事業部物流事業課長。02年泰国ESCO社社長、08年4月丸紅・物流企画営業部副部長、09年4月丸紅物流執行役員、12年6月丸紅物流社長。4月から現職。  ◆企業メモ◆ 丸紅傘下のロジパートナーズと丸紅物流が合併し4月1日付で設立。資本金2億円、従業員数864人。サードパーティー・ロジスティクス(3PL)、国際複合一貫輸送、貨物利用運送、海運仲立、船舶貸渡、航空運送代理店、一般貨物自動車運送、倉庫、コンサルティングなどを展開している。





本紙ピックアップ

物効法・貨物事業法改正案/衆院通過、付帯決議17項目採択

 「2024年問題」に対応して荷主への規制や多重下請け構造の是正措置などを盛り込んだ物流総合効率化法と貨物自動車運送事業法の改正案が11日の衆議院本会議で可決、成立し、参議院に送られた。10日の衆院国土交通委員会(長坂康…

国交省/型式指定不正防止、抜本解決へ検討会設置

 国土交通省は9日、近年の自動車の型式指定申請における不正事案を踏まえ、有識者による「自動車の型式指定に係る不正行為の防止に向けた検討会」(大聖泰弘座長、早稲田大学名誉教授)を立ち上げた。不正の未然防止と早期発見に向け、…

ライフサポートエガワ、西日本に初の拠点

 ライフサポート・エガワ(江川哲生社長、東京都足立区)は西日本エリアでの共同配送事業を強化する。15日、西日本で初の自社拠点となる福岡センター(福岡市東区)を稼働。大手コンビニエンスストアの物流センター向けの配送や在庫機…

ウェザーニューズ/異常気象時の交通影響予測、アプリでも配信

 ウェザーニューズ(WN)は4日、異常気象時の輸配送継続に向けた支援サービスを、「ウェザーニュースfor business」の「交通影響予測」として複数のプラットフォームで利用できる新サービスにリニューアルした、と発表し…

オススメ記事

物効法・貨物事業法改正案/衆院通過、付帯決議17項目採択

 「2024年問題」に対応して荷主への規制や多重下請け構造の是正措置などを盛り込んだ物流総合効率化法と貨物自動車運送事業法の改正案が11日の衆議院本会議で可決、成立し、参議院に送られた。10日の衆院国土交通委員会(長坂康…

国交省/型式指定不正防止、抜本解決へ検討会設置

 国土交通省は9日、近年の自動車の型式指定申請における不正事案を踏まえ、有識者による「自動車の型式指定に係る不正行為の防止に向けた検討会」(大聖泰弘座長、早稲田大学名誉教授)を立ち上げた。不正の未然防止と早期発見に向け、…

ライフサポートエガワ、西日本に初の拠点

 ライフサポート・エガワ(江川哲生社長、東京都足立区)は西日本エリアでの共同配送事業を強化する。15日、西日本で初の自社拠点となる福岡センター(福岡市東区)を稼働。大手コンビニエンスストアの物流センター向けの配送や在庫機…

ウェザーニューズ/異常気象時の交通影響予測、アプリでも配信

 ウェザーニューズ(WN)は4日、異常気象時の輸配送継続に向けた支援サービスを、「ウェザーニュースfor business」の「交通影響予測」として複数のプラットフォームで利用できる新サービスにリニューアルした、と発表し…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap