塩釜倉庫、仙台港倉庫が完成 7棟建て直し震災から完全復旧
物流企業
2015/04/09 0:00
塩釜倉庫(横田善三郎社長、宮城県塩竈市)が建設していた仙台港物流倉庫が完成し、4日から業務を開始した。輸入米などの保管需要に対応する燻蒸(くんじょう)機能を備えた営業倉庫で、仙台港地区には初めて進出。同日、竣工式が行われた。(黒田秀男) 県が開発した仙台港背後地土地区画整理事業地内に用地を取得。敷地面積4065平方メートルに平屋建ての営業倉庫(床面積1964平方メートル)と管理棟(40平方メートル)を建設した。庫内は燻蒸倉庫(982平方メートル)と低温倉庫(同)に分かれ、保管収容能力は4800トン。コメなど穀物の保管需要に対応する。 建設に当たっては、津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助事業を活用。事業費は土地取得費が2億7千万円、建物取得費(設備込み)は4億5300万円。このうち1億7800万円は補助金で賄う。また、雇用創出として新たに5人を雇い入れた。 同社は、1920年設立の老舗企業。コメ、麦などの穀物や飲料用容器、肥料、飼料、建材などの保管(倉庫業)と貨物運送事業を展開している。東日本大震災では大きな被害を受けたが、懸命に復旧活動に取り組み、今回の新倉庫を含め7棟を建て直し、完全復旧を果たした。 竣工式で、田代諄副社長は「穀物を取り扱っているが、仙台港地区には燻蒸施設が少ない。TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉次第だが、今後は輸入米の増加が予想される。新倉庫は燻蒸と保管を一体的に行える最新鋭の設備を導入した。これらを最大限に活用し、顧客ニーズに応えていく。地域の食の安全・安心に資したい」と語った。 【写真=輸入米などの保管需要に対応】