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福通/輸送量の4%鉄道シフト、東京―東福山に専用列車

物流企業

2015/04/02 0:00

 福山通運は3月30日から東京貨物ターミナル駅(東タ駅、東京都品川区)―西岡山駅(岡山市北区)―東福山駅(広島県福山市)の鉄道コンテナ専用列車「福山レールエクスプレス号」の運行を開始した。東タ駅―吹田貨物ターミナル駅(吹タ、大阪府吹田市)では2013年3月からスタートしており、日本貨物鉄道(JR貨物)によると、一物流会社が単独で1日当たり大型トラック160台相当分(2線区合計、31フィート コンテナ160個)を「列車買い」するのは過去に例が無い。福通では、当面、全輸送量の4%程度を鉄道コンテナ輸送に切り替えることで、安定輸送の確保とともに、長距離幹線運行便のドライバー不足や安全運転確保などの課題解決につなげる。(高木明)
 同エクスプレス号は東タ駅―西岡山駅―東福山駅の779キロを約11時間で結ぶ。下り列車は東タ駅発午後11時41分、西岡山駅着翌日午前9時41分、東福山駅着10時38分。上り列車は東福山駅発午後11時03分、西岡山駅発午前零時10分、東タ駅着午前9時54分。両列車とも西岡山駅で、31フィートコンテナ10個(大型トラック10台相当分)を切り離し・連結し、1日1往復を運行する。1日当たり31フィートコンテナ80個の積載能力で、大型トラック80台分に相当する。利用契約期間は5年。
 福通ではエクスプレス号の増発に伴い、私有31フィートコンテナを新たに100個用意して500個体制に拡充するとともに、列車の出発時間に合わせた集荷時間の締め切り及び集配業務対応などで専用車両を増備。福通の長原永寿・取締役専務執行役員は「新たな設備投資も必要だったが、翌日中の配達が可能なダイヤ設定であり利用価値は大きい」と評価。JR貨物の田村修二社長も「東海道・山陽本線は既に過密ダイヤになっており、今回の福山レールエクスプレスが最後の『優等列車』となる」としている。
 今回の東タ駅―西岡山駅―東福山駅及び東タ駅―吹タ駅の利用を合わせると、1日2往復体制・大型トラック160台分が鉄道コンテナ輸送となる。専用列車に限らず、関東―近畿・九州、関東―北海道、中四国―関東などの各線区で積極的に利用している。福山レールエクスプレス号の運行を始めるまでは、総輸送量に占める鉄道コンテナ輸送の利用率は1%程度に過ぎなかったが、14年度実績では3.5%になる見通しだ。
 小丸成洋社長は「これまでの経験と実績を生かし、ドライバーをはじめとした労働力不足や安全・安心輸送を確実なものにしていきたい。引き続き、より効率的な輸送商品の開発に取り組んでいく」と話している。





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